石川遠征第4弾 鞍崎隧道 前編
ずっと東進してきた国道249号が大谷峠(おおたにとうげ・レポ未)を越えて、半島を回り西進に転じてしばらく。
一番最初に現れるのがこの隧道。
新鞍崎隧道(しんくらさきずいどう)
この名前を聞いて、さらに右横の看板を見て、旧隧道の存在を疑わないオブローダーはいないでしょう。
長きにわたる戦いの序編としてはうってつけじゃないか。
あえて大きめの縮尺の地図でご覧ください。
場所は石川県珠洲市(すずし)。
まさに能登半島の先端に位置する街です。
この方が場所は分かりやすいかな。
この場所、実はものすごく遠いんです。
我が地元、敦賀からの直線距離で言うなら、東は山梨県、南は和歌山県最南部、西は鳥取県最西部まで行ける距離。
隣県なのに・・・。
にもかかわらず、どことなく漂うホーム感。
これは恐らく同じ日本海が形作った名勝、越前海岸の景色とそっくりだからでしょう。
だからこそすぐ帰れるような錯覚に陥りますが、普通に帰るのにどんなに速くても4時間半はかかりますから。
つまりあまりのんびりはしていられない・・・。
これほどわかりやすい旧道もあんまりお目にかかれないな。
わざわざ通行止め規制がされているということは、道があるという認識はある様子。
事実上の廃道というやつか。
岬の大外に回り込む基本通りの旧道です。
比較的最近まで現役の徒歩道であったことが窺える旧道。
落石も少ないです。
もちろんありますが。
北側斜面は明暗が強烈です。
コントラストといえば聞こえがいいですが、時折差し込む西日は太陽拳かという勢いで目をくらませます。
そしてその奥に見える灯台。
映画の様に印象的な光景でした。
これはいい!!
文句なしに素晴らしい光景!
3月初めの肌寒い空気の中、いかにも寒々しい平場を抜ける完全1車線幅のアスファルト舗装。
その奥に聳え立つ壁のごとき断崖。
上から見下ろす現役の灯台。
個人的に今回の遠征の「廃道の景色部門」ダントツ1位。
非常に印象的な光景でした。
灯台に向かうであろう道は僅かな窪地地形を見つけてスパルタンに登って行きました。
これはこれで気になりますが、今はそれどころではありません。
そして岩に吸い込まれる道。
あの枯れすすきの奥にあるものは、すでにその存在感を放っています。
バキューン!!
まるで銃創のような外観のこの隧道の名前。
鞍崎隧道(くらさきずいどう)
当然そうなるでしょう。
扁額もありませんが・・・。
血ケ平隧道を思い出すな・・・。
扁額はありませんが、あるものはありました。
それは・・・、
お地蔵様
古い道には付き物のお地蔵様。
しっかり手を合わせて旅の安全をお願いします。
隧道自体はそれほど長いものではなく、せいぜい50m程。
すぐに反対側へ至ります。
洞内も素掘りのコンクリート吹付。
これといった特徴はありません。
振り返り見た鞍崎隧道。
なんか見事に真ん丸だな・・・。
こうなると舗装が目立ちますね。
白飛びした写真で申し訳ありませんが、道はまだ続いています。
しかしなんか放置された公園のような植生。
自然のものではありません。
若干舗装が残っていますが、これは一種の廃道化工事でしょうね。
講演のような顔をしてその向こうに道は続いているパターンです。
観光地では結構ありますね。
ここまでするならむしろトンネルまで公園化すればいいのに。
こういう道も嫌いじゃないけどね。
車止め発見。
それも公園風のものが使われています。
旧道としての役割はもうないということですかね。
反対側に到達。
しかしこういう旧隧道を持つ旧道を見るとどうしてもあの可能性を疑ってしまいます。
つまり・・・、
旧旧道の存在です。
振り返ってみた旧道。
可能性としてはここより海側にしかないでしょう。
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