栃ノ木山中林道

福井県の地理を語る上で外すことが出来ない3つの峠。

木ノ芽峠
栃ノ木峠

山中峠

過去に取り上げたこれらの峠は、現在の福井県の地域区分である「嶺南」「嶺北」を隔てている謂わば県内でも有数の有名な峠です。


これらの峠は木ノ芽山地(南条山地とも)に位置していています。

木ノ芽山地最高峰の鉢伏山(はちぶせやま)でも762mですので、それほど高い山地ではありません。

しかしその山容は非常に険しく、2012年現在この山地を通年通行できる道は4本。

北陸自動車道
国道8号

国道476号

福井県道207号今条杉津線
(冬期はトンネル凍結の為、事実上利用不能に近い状態)


そんな険しい木ノ芽峠の尾根をくねくねとトレースする林道があります。

この林道、なんと上記の3つの峠全てにアクセスできるという、非常に稀な林道です。

その名も

広域基幹林道 栃木山中線

(とちのきやまなかせん)

それでは行ってみましょう!

福井県横断林道へ!

さてここは林道の終点、福井県道207号今条杉津線との交差点です。

位置としては山中隧道の南越前町側坑口より200m程進んだ地点、いちおう看板が立っています。

そしてここが3つの峠の1つ目、山中峠です。

ただし間違えやすいのが・・・、

もうちょっと山中隧道よりが起点となっているこの林道。

山中大谷林道

「隧道出て右」くらいの感覚で走るとこちらに誘導されますので、ご注意ください。

僕はこの林道をこちらから走るの初めてだったので、写真撮ってる段階で初めて気付きました。

気付けよ、俺。

さて気を取り直して、本物の栃ノ木山中線を進みます。

道は落ち葉が酷い舗装路、非常に走りやすいです。

ある程度標高が上がると、尾根付近に至ります。

ここまで来ると上に木もあんまり無くなってきますので、落ち葉が無くなってきます。

もちろん、皆無ではありませんが。

ちなみに横谷トンネル編の鵜川村井線や旧山中隧道編の越前西部林道等でも出てきましたが、「広域基幹林道」というのがこの道の分類です。


そもそも林道というのは色々な分類がありますが、大きく6つのランクに分けられます。

1.大規模林道(幅員7m2車線完全舗装義務)

2.スーパー林道(高規格林道とも、幅員4.6m以上未舗装可)

3.ふるさと林道(市、県道の代用林道)

4.広域基幹林道

5.併用林道(一般車両通行可能な林道)

6.専用林道(一般車両は原則通行できない林道)


これを見てわかる通り、広域基幹林道とは「名前は立派だがいわゆる普通の林道」だということが分かると思います。

ちなみに上記で紹介した「山中大谷線」はふるさと林道。ここよりランクが上です(笑。

しかし普通の林道でも5,6よりは格上。

広域基幹林道とはいわゆる林道網の中でも背骨となる、本線なのです。

ここから枝葉のように併用林道や専用林道が伸びていき、林道網を形成していきます。

ススキの波が押し寄せてくる!!

夜ヘッドライトに照らしだされるススキが亡者の手に見えて怖いのは僕だけでしょうか。

おいでおいでしてるように見えるんですよ・・・。

ガードレールの向こうに見える敦賀湾。

さらにその奥に見える西方ヶ岳。


ここから道は一路南に進路を変え、海から離れます。

この先、谷と尾根の位置が断続的に入れ替わります。

そのたびにカーナビさんは敦賀市と南越前町を行ったり来たりしています。

尾根が市境になっているので、このような峰越え林道ではまま起こること、忙しそうですね。


そして南にあるものと言えば・・・、

今条365スキー場

冬期通行止めのこの林道は、この付近を冬場は林間コースとして利用されています。

こういう利用って他にもあるのかな。

笠取峠の探索を思い出す光景です。

あの索道塔の下に古道が続いているはず、石畳よかったなぁ。

犬がいなければまた行きたい・・・。

そして久しぶりの木の芽古道の登り口。

ここからあの探索が始まったのでした。

振り返りとしてはいいなぁこの林道・・・。

そしてあの窓の様に抜けている鞍部が木ノ芽峠。

標高628m、林道全体でもこの辺りがもっとも標高が高い部分です。


そして今日も今日とて犬の鳴き声。

行くのはやっぱやめとこう・・・。

木ノ芽峠、無事通過。

さて僕にとってはここも懐かしい交差点です。

右は木ノ芽古道を辿る際に利用した真谷林道。

こちらを利用すれば、木ノ芽トンネルを利用せずとも敦賀市に入ることが出来ます。

利用できればですが。

(めちゃくちゃ危なっかしい道です)

僕は起点まで至るのが目的ですから、当然左に折れます。

そして忘れたころにやってくるのが、林道特有のこの側溝。

湧水を流すのが目的なんですが、調子に乗って飛ばしていると、思いのほか強烈な衝撃を受けます。

皆さん、林道はゆっくり走りましょう・・・。

そして終点。

ぶつかる道は国道365号(笑)。

そしてここで左を向けば・・・、

栃ノ木峠の象徴がいらっしゃいました。

この距離ではとても全体を治めることなど不可能な巨木。

栃ノ木峠本編でも語ってますが、僕はこの古木が大好きです。

そして栃ノ木峠の旧道はコメントでご指摘があった通り、古木の隣からするすると谷底へ伸びていました。

だいぶ風化が進み、判別も難しくなっています。

しかしそれでも先人たちの足跡は確かに感じることが出来ました。


さて今回のレポは林道レポというより、振り返り総括レポといった感じになってしまいました。

この辺りには福井の道好きなら外せない名所が数多くあるので、それも仕方ないかなという気もします。

もしこれらの峠を巡られる際には大変便利な道ですので、ぜひご利用ください。


以上、 栃木山中林道編

この道往けば act2

福井県を中心とした。酷道、廃道、旧道、峠、隧道の探索ブログ

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