越坂

さて前回、ウツロギ峠に引き続き、もう一つ鹿蒜道(かひるみち)の峠をご紹介したいと思います。

何せこの鹿蒜道、万葉集にもその名が登場すると言うから驚きですね。


松原駅(敦賀)と鹿蒜駅(今庄)の間には合計3つの峠があったと言われています。

そのうち2つは当ブログでも紹介済みの山中峠とウツロギ峠です。

最後に残ったもう一つの峠、それが今回紹介する・・・、

越坂(おっさか)

この越坂は松原駅から出発すると一番最初に越えなければならない峠で、この先に待つ山中峠(389m)の前哨戦ともいえる峠でした。

古くは街道筋としてにぎわった道は今どうなっているのか・・・。

それではレポスタート!

さてここは国道476号(お前も最近増えてきたな・・・)、今庄側から敦賀方面を向いています。

そこにある、明らかに勾配のおかしい怪しすぎる小道。

これが目指す越坂に続く道です。

おいおいこれはちょっとおかしいだろ??

そんじょそこらじゃお目にかかれない急勾配で道は続きます。

これもしかして公道限定、敦賀市内の最高勾配ポイントじゃないか??

こうやって停車して撮影してから発車しようとすると、タイヤが空転するレベルの勾配です。

この現象は舗装路では、かの暗峠でしか味わったこと無かったんだが・・・。

まさか敦賀市内で味わえるとは、まだまだ奥が深いな・・・。

道が崖にへばりついてる!!

林道でもそうそうないぞ!こんなえげつない断崖絶壁!!

こりゃ山側走らないとな!

山側すら安全じゃないのか!!

この生々しい地球のお肉はそう遠くない過去に地滑りが起きた明確な証拠。

路面に小石転がってるよぉ、怖いよぉ。

ちなみに落ちるとここを一気に転がり落ちることになります。

下に見える道は国道476号。

命がけのショートカットですね!

恐ろしい勾配の道は暫し続きますが、それほど長くはありません。

もともと越坂はそれほど高い峠ではありません。

越坂、着。

Ⅴ字に切れ込んだ、古式ゆかしい峠です。

ちなみに標高は180m。

ウツロギ峠と同じくらいです。

「おっさか」という読みは「こしさか」が「こっさか」になり「おっさか」になったという訛り説が有力です。

峠の先には同名の集落があります。

この「越坂」はもはや集落の名前として定着していまして(とはいっても市民でも知らない人も多いと思われる過疎地域ですが)、峠の名前という認識はほとんどありません。

飛鳥時代から道が通った峠なんですよ、実はここ・・・。

峠には新しそうな道が分岐していました。

これは恐らく電力会社の鉄塔管理用道路かと思われます。


この他にも峠付近に小道がたくさん分岐してました。

実際、鹿蒜道は峠からどういうルートを使ってか、ウツロギ峠へ伸びていたようなのです。

ここから先は道がはっきりわかっておらず、あくまでポイントポイントの記述のみでしか把握できていません。


つまり実際問題として、レポ中の今までの道は後年作られた道だということを付けくわえさせていただきます。

ここから先が本来の鹿蒜道を踏襲する市道となります。

街道の姿を今に残す風景、いいですね。

国道476号が指定されたのは1993年、このバイパス道路が完成するまではこの道がメインストリートだったのです。

ある意味で国道476号の旧道ともいえる道ですね。

街道には神社がつきものです。

少彦名神社(すくなひこなじんじゃ)

薬と酒に関する神様である「少彦名命(すくなひこなのみこと)」を祭る神社で、僕のような酒飲みからすると必ず参っておかねばならない神社です。

あと余談ですが、この少彦名命は「一寸法師」のモデルではないかとも言われています。

全国に同名の神社がありますが、ここはかなり由緒正しい神社なようです。

集落を離れると山間を縫うように道が続きます。

谷に沿う基本通りの道の形ですね。

樫曲集落の中に入り、北陸自動車道をくぐればゴールはもうすぐ。

しかし桜がきれいですね。

国道476号に戻ってきてゴールです。

写真正面に見えている黒い穴は樫曲隧道、詳しくは旧北陸本線隧道群へ!


これでまた敦賀の隠れた峠を掘り返しました。

だいぶ残された所も少なくなってきた・・・。

気合い入れていきましょう!


以上、越坂編

この道往けば act2

福井県を中心とした。酷道、廃道、旧道、峠、隧道の探索ブログ

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