田烏隧道 小浜側 前編
嶺南には廃隧道が少ない!!
これは福井のオブローダーの共通認識と言えるのではないでしょうか。
僕の知らない未知の廃隧道を除けば、
そして今回紹介する隧道、この6つしかありません。
廃トンネルでは金ヶ崎山トンネルもあるので、計7つか。
嶺南ではなく若狭として括るなら、敦賀廃隧道3兄弟が除外されるので、トータル3つしかないことになります。
この辺りは高い山が少なく、山深い割には隧道を掘る必要がなかったこと。
そして主要な幹線が現国道27号である丹後街道しかなかったということも大きいですね。
丹後街道は海沿いのルートをとってますので、隧道は必要なかったのです。
そんな嶺南で貴重な廃隧道の一つが今回紹介するこちら。
この辺りの山々はどこの山地に分類されるのか非常に微妙なところで、調べが及ばなかったです。
たぶん野坂山地か比良山地あたりになるんでしょうけど。
ただ微妙に独立してるんだよなぁ・・・。
そんな微妙な立ち位置の山を越える隧道の名は・・・、
田烏隧道(たがらすずいどう)
ではレポスタート!!
福井県小浜市(おばまし)
阿納坂隧道でも登場した嶺南第2の都市が、今回の舞台です。
今回の隧道は市境となっていて、現在では新トンネルが利用されています。
これが現道トンネル。
そのまんま田烏トンネルです。
なにせこのトンネルがある道はれっきとした主要地方道なのです。
福井県道22号上中田烏線(かみなかたがらすせん)
海沿いを走る国道162号と山裾を走る国道27号を結ぶ重役を担っています。
この2路線は最終的に重複しますが、それまで連絡線がほとんどない・・・。
助かってます・・・。
小浜側には異常に立派な竣工記念碑が建てられていました。
昭和56年竣工・・・、廃止後32年か・・・。
熟成は進んでるな・・・。
若干、白飛びした写真で申し訳ありません。
竣工記念碑の手前に見える道、これが旧道です。
基本通りの鋭角な交差点。
見る人が見れば一目でわかるでしょう。
さぁ前置きが長くなったけど、こっからが本番や!!
・・・普通ぅ・・・。
まぁいい、牙は最後まで隠しておくというわけか。
それならばこちらも、お前が本気になるまで攻め入るまでだ。
行くぞ!!
行く手を遮るロープ。
取り外しはできそうですが、いかにも私有地という感じがして気が進まない・・・。
よし、ここでしゃりおくんは諦めるか。
決して悪意のある侵入ではありませんので悪しからず・・・。
防御は2段重ねか!!
まぁ防いでるのは害獣なんでしょうが、人間の心の問題として「知らない扉を開ける」というのはなかなか罪悪感が働くものです。
しかし隧道を見ずして僕は引き下がれない!!
お邪魔しております。
ここは本当に私有地になっているのかも・・・?
まぁ僕は本当に知らないし、目的は隧道に入ってあわよくば貫通することなので、悪さはしませんよ。
ただお勧めのできる行為ではありませんので悪しからず・・・。
大きなヘアピンカーブのスタート地点に置かれたフェンスの先は、明らかに廃道の雰囲気を醸し出していました。
しかし完全な廃道かといわれると微妙なようで、32年の月日がこの程度の風化ですますと思えません。
ここはまだ人の手の範疇にあるようです。
ちなみに僕は廃道に来ると平家物語の冒頭を思い出すことがよくあります。
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響き在り
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理を現す
驕れる者も久しからず ただ春の夜の夢のごとし
猛き者もついには滅びぬ ただ風の前の塵に同じ
オブローダーは諸行無常を求めているのかもしれませんね。
あれ?キャラじゃない??
お前らがなければもっと無常を楽しめるんだけどな!!
つうか不法投棄が多いから山にフェンス張られるんだよ!!
誰だ!これ捨てたやつ!!
今からでもいいから拾いに来い!!
そして実はまだ全然進んでなかったり・・・。
地図を見てもらえばわかるかと思いますが、この隧道に至るにはそこそこの距離があります。
ヘアピンカーブ一つでワーワー騒いでる場合じゃないんだよ!!
倒木もきれいに切られてますね。
やはりここは何かしらの理由で使われていることがうかがえます。
しかし美しい広葉樹です。
若狭の原風景が楽しめますね。
トイレ!!
廃車はよく見ますが、廃トイレは初体験でした!!
もともと設置してあったのが忘れられ倒れたのか?
それともこれも不法投棄の一部なのか??
今となっては誰に聞いたらいいかもわかりません。
このインパクトはすごいわ・・・。
看板がひっくり返ってたんで、表向けてみたら・・・。
夥しい数のナメクジさんとこんにちは♡
畑やってるし、よく会うから悲鳴はあげないけどさ・・・。
集団戦法はやめてくれないかな・・・。
全身に鳥肌立ったよ・・・。
ここで僕は確かに感じました。
隧道が来る感覚です。
僕はこれまでこの隧道発見眼が弱く、たぶん多くの隧道を逃しています。
廃道発見眼はかなり磨かれた自信があるんですが、こちらは自信なかったんです。
しかしこの予感が的中すれば、僕も自分の目に自信が持てるようになるかも・・・。
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