岐阜遠征第2弾 宮山橋

地域柄というのは、強い。
それは現代人、あるいはその先人たちが大人の都合で整備した行政区を超える規模で存在します。

それは山間地では特に顕著です。
有名なところでは新潟、福島、山形県境に存在する登山道県境(レポ未)。
廃藩置県における福島県の猛反発によって、登山道のみ福島県という必殺技を使用した事例です。
その幅は脅威の91cm。
道を趣味とする者としては、道自体が県境というこの特異点は一度訪ねてみたいものですが、そこは標高2000m越えの山岳地帯。
・・・ガチ登山だな・・・。

おっと話が逸れました。
ここほど分かりやすい形ではありませんが、県境を跨ぐ共通点というのは比較的良くあります。
それは前々回のレポから続くあの流れ・・・。
レポスタート!
ここは国道303号国道417号の重複区間。

岐阜県揖斐郡揖斐川町(いびぐんいびがわちょう)

旧村域では久瀬村(くぜむら)にあたります。
ちなみにご他聞にもれず2005年の平成の大合併の地域です。
一目見て山深いこの地域。
揖斐川が形作る渓谷が深く山を削っています。
そして右手にはもうなんか見えてます・・・。

恋のつり橋

・・・なんか嫌な予感・・・
場所はこちら。
旧久世村役場(現久瀬振興事務所)のすぐ近く。
正にメインストリート沿いにあります。
国道から即、つり橋ではなく、若干の高低差を階段とスロープで埋めています。
これはこの橋が新しいものではなく、国道整備よりも古いものだったという仮定が立ちます。
そしてもう見えてますね・・・。

存外に良い吊り橋!!

良い橋だ!
良かった!
余計なことされてない!!
これが恋のつり橋の名前の由来のようです。
個人的には「長い苦労のトンネル」という部分。
国道303号久瀬トンネル(くぜトンネル)のことなのか、はたまた・・。
死んだベンチは撤去したほうがいいと思うんですが・・・。
さすがの僕でも恋と廃は合わないと思うよ。
大多数にはさ。
後付でしょうが、なかなか良い感じの街灯。
無粋なLEDじゃないのは評価できます。
しかし夜はさすがに怖いだろうな。

そして主塔に絡まっているのは落葉性の蔦。
夏場は緑色の塔になるようです。
吊り橋にはよくある人数制限。
まぁ無難な数ですよね。
新しい・・・。
修理されてますね。
これだけ新しい木の橋を渡るのははじめてかも。
なんか嬉しいですね。
出来ればここも木にしてほしかったけどなぁ。
まぁ吊り橋にとって重要な部分ですし、きっちりさせたってことですか。
補修頻度も少なくて済みそうですしね。
かっちり止まってます。
しかしよく見てほしいのはその隣。

昔はこのほっそい針金でで束ねてたとか言わないだろうな

等間隔であるんだけど・・・。
怖いよぉ・・・。
こちら下流側。
渡っているのはもちろん揖斐川(いびがわ)。
木曽川(きそがわ)にはぶつからないのに木曽水系に含まれる一級河川。
木曽川、長良川(ながらがわ)と合わせて、木曽三川(きそさんせん)と呼ばれています。
対して上流側。
写真に写っているのは岐阜県道268号神原西津汲線(かんばらにしつくみせん・レポ未)の久瀬橋(くぜばし・レポ未)。
赤い印象の橋ですが、横から見るとガーダーの青が印象的ですね。
ちなみにこの岐阜県道268号も点線区間を抱える素敵な道ですよ。
おっとこちらの橋にも変化が現れました。
ちょくちょく古い板を挟んできました。
一斉に全部替えなかったのは経費削減ですかね?
中間地点を少し過ぎた辺り。
これくらいのメインケーブルが自分の目線くらいの立ち位置が好きです。
マニアックですか。
そうですか。
こちら側にも同じ街灯がありました。
そしてその奥には、最近よく見る類のものが・・・、
そしてここでようやく、この橋の本当のお名前が判明しました。
恋のつり橋じゃないわな、そりゃ。

宮山橋(みややまはし)

この橋は対岸の久瀬小中学校へのアクセス路として機能していました。
中学生の男女の帰り道に吊り橋がある。
そりゃ確かに恋が生まれそうな気もします(笑。
甘酸っぱいなぁ・・・。

結ばれ地蔵

明らかに後年建立されたものでしょうが、かわいらしいお地蔵様です。
手前には恋の鐘なるものもありました。
この雰囲気、やはりあれを思い出します。
なにはともあれ、恋はありませんが、手を合わせていきます。
お地蔵様は大切にしなければ。
いろいろあるんだね・・・。
こっちはちょっと興味ないかな・・・。
興味がある方は揖斐高原で検索を・・・。
しかし・・・、お地蔵様に鐘に絵馬に・・・、

ちょっと盛り込みすぎやしませんか?

仏教、神道、キリスト教といろいろ混じってるんですが・・・。
そしてこのハート・・・
やっぱり思い出す。

せっぷんトンネルの悪夢

あれよりははるかにマシですが・・・。
こういう取り上げられ方、僕としてはあんまり好きになれないかな・・・。
こちらのアンカーはお地蔵様の裏に打ち付けられていました。
そして木の根がなんか素敵な感じに。
こういう雰囲気は嫌いじゃないです。
恋人の聖地となりつつある宮山橋。
しかし廃止されず、今も地域おこしとして活用されているのならそれはそれで幸せな余生でしょう。
国道脇に佇むささやかな吊り橋。
しかしそれは現代をしたたかに生き延びる強さを持った橋でした。

以上、宮山橋編

この道往けば act2

福井県を中心とした。酷道、廃道、旧道、峠、隧道の探索ブログ

0コメント

  • 1000 / 1000