旧北陸本線暗渠群 罠山谷に眠りし者編
とは言ってもかなり長いこの築堤。
しかしよくよく見てみると、道はあったのです。
わっかりやすいなおい。
こんなとこやら・・・。
ちなみに写真の角度は水平ですよ。
傾いているの地面の方ですからね。
歩きやすい坂道を下っていくと、灌木地帯に突入です。
これによって見にくくなっているというのはありますね。
お、わらびかな。
いや、ぜんまいか。
春の探索ではサンサイストの皆様とエンカウントしがちですが、こいつは無事生き残っているようです。
僕の目的はこいつじゃないしね。
ここまでの道はジムニーなどの軽の四駆なら車でも侵入できそうでしたが、ここまでくるともう無理ですね。
軽く乗り越えさせていただきます。
道との位置関係はこんな感じです。
近く見えるんですけどねぇ。
夕暮れの時間帯はやっぱり危険です。
あー、こっちから見るとわからんわ。
道の存在をうまいこと隠しています。
分かっちゃえばいい目印ですけどね。
さて、そろそろ皆さんから罵声を浴びせられそうですね。
早く見せやがれと
ごもっともです。
いやしかしもったいぶりたくもなるんですよ。
罠山谷の盟主。
ご覧あれ。
罠山谷暗渠(わなやまだにあんきょ)
これが今回の旧北陸本線遺産群の中に暗渠で唯一食い込んだ御大です。
この堂々たる姿。
とても暗渠と一口で言ってしまうのがもったいない。
竹鼻川を吸い込むその姿はまさに現役そのもの。
感動すら覚える姿です。
もっと近づいてみるとしましょう・
そしてこの暗渠の最大の特徴が見えています。
皆さんももうお気づきでしょう。
人水共用暗渠!
人だけ、水だけのレンガ暗渠は数少ないながら全国にあります。
しかし共用となるとその数はガクッと落ちます。
逆に最近作られたものならめっちゃ多いんですけどね。
しかも暗渠なのに開渠という矛盾も披露してるこの素敵さ。
突っ込み所満載です。
水を集める仕組みとして斜面上からウォータースライダーが作られてました。
ここ滑ったら楽しそうだけどけつがなくなるな。
かなりの急勾配です。
石積みとレンガを組み合わせたポータル。
しかもこの積み方は「ブラフ積み」と呼ばれるレアな積み方です。
ブラフ積みは横浜のものが有名ですが、まさか敦賀にもあったとは。
積み方としてはレンガ積みでいう「フランドル積み」に相当します。
築堤を潜る穴ですから当然それほど土かぶりはありません。
力学的には土かぶりが少なければ少ないほど、アーチは不安定となりやすい。
そこでいくならこの頑強さは特筆に値しますね。
それでは、いざ入洞
暗渠の前はかなり荒れてましたが、洞内は落ち着いています。
歩道部分に乗っている石はもしかしたら増水時に、歩道に溢れた痕跡でしょうか。
なんにせよ、安心感が凄いです。
上流側を振り返ります。
うん、いい絵だ。
反対側にも期待が高まります。
そして気づく違和感。
皆さんも感じ取ったのではないでしょうか。
出口でっか!!!
普通の隧道だと勾配があっても隧道の高さ自体は変わりませんが、ここでは勾配に合わせて隧道株のみが下がっていっているためこういう現象が起こっています。
隧道天井部分は推定で、底部のみが下がっていっているということですね。
しかしこっちから見ると威圧感凄いな。
ちなみに隧道内の道は保守道ではなく、ちゃんと麓まで続いているようです。
この道もいずれじっくり歩いてみたいですね。
ちにみにこんな道です。
オフロードとして結構上質じゃないですか?
自転車やバイクでも楽しそう・・・。
なんか遺構もありそうですしね。
奥の石垣っぽいの怪しいなぁ。
ちゃんと見てみたいわぁ。
この水抜き穴を作るだけでも相当な苦労がかかっています。
こういう小さな業にこそ本物を見ることができますね。
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