旧国道8号第9弾 集福寺-沓掛 後編

この光景が好きだ。

ここには橋や隧道など、いわゆるオブローディングの華となるような遺構はありません。
しかし道が道の姿を残しつつ朽ち果てているこの姿は何物にも代えがたい美しさを感じました。


これはお勧めしたい廃道。
薮さえ気にしなければ、それほど苦せずたどり着けます。
まぁ藪は気になりますが。
藪は気になりますが(微笑)
上の写真の撮影地点から振り返って撮影。
まさに天国と地獄。
気が付けば大川はすぐそばに。
ここからは大川のすぐそばが旧道の居場所となります。

ほんっとうにあの一画だけでした。

あの区間が国道としての原形をとどめていた理由はやはり日当たりでしょう。
両側から巨木が生い茂り、道まで日光が届きづらかったのが、この憎らしい笹薮を蔓延らせなかった要因です。
川を挟んで向こうには現道も近づいてきました。
これはゴールは近い予感・・・。
ここまで藪以外の障害はほとんどありませんでしたが、小規模な崩落や倒木が現れました。
これは最終ステージに入った予感・・・。

ゴミが散らばってきた・・・。

これは人の世界が近づいてきたという傾向です。
後はどのタイミングでどういうふうにぶつかるか・・・。
最後の最後でようやく藪が薄くなってきました。
しかしそれと同時に鮮明だった道形も不鮮明となりつつあり、合流地点がわかりにくくなっています。

ただの野っぱらじゃねえか。

振り返って見てみるとそんな突込みが溢れてきます。
道どこだよ。
見えねえよ。
正面に森が迫ってきたので、進路は次第に左、つまり現道側に限られてきます。
この辺りは恐らく、旧道上にも植林がされているように感じました。
どう見ても天然杉ではないですし。
もはや何が何だか分からなくなってきましたが、唯一の救いは現道からこちらにすり寄ってきてくれているところ。
旧道に橋が無いのは残念ですが、これで合流位置をある程度特定できそうです。

ここが合流疑定置。

山側からのカーブと現道の暗渠によって大川を渡ったカーブのぶつかった場所です。
ここは心なしか木々も避けて、道一本分のスペースができていました。
こうして見ると、現道がバイパスで大川をショートカットした区間の廃道と言い換えることができるのがよくわかります。
廃道区間はぜんたいの1/5ってところでしょうか。
短いと言えば短いですが、薮も相まって十分な威力でした。
大川の谷に築かれた石垣の擁壁。
これも旧国道8号の遺構ともいえます。
深坂の山に残る旧道。
今後さらに掘り進めていきます!
これが現状の滋賀県北部の旧国道8号網羅図。
東部なんかも入れると佐和山隧道なんかも絡んでくるのでもう少しありますが、おおむねこれだけです。
これからは南にも足を延ばしていきますよ!

以上、旧国道8号 集福寺-沓掛編

この道往けば act2

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