黒河峠
黒河渓谷(くろこけいこく)
パッと「ああ、あそこね」となる人は地元の人間か山好きもしくは相当の林道マニアでしょう。
敦賀市南部を流れる黒河川が形作るこの渓谷沿いをくねくね進むのが、今回紹介する黒河林道です。
黒河林道は県境で黒河峠(くろことうげ)に至り、滋賀県側はマキノ林道と名を変えて高島市へと至ります。
実はこの林道、僕のお気に入りの道の一つでして、過去に何度も通り抜けたことのあるおススメ林道なのです。
それがまさか・・・あんなことになっていようとは・・・。
黒河林道へのアクセスは福井県道211号山櫛林線(やまくしばやしせん)を終点から起点へ真っ直ぐ行けばOK。
写真は粟野中学校方向から県道211号へ直進しようとして見つけた青看です。
左右の県道(255号敦賀美浜線)にはバッチリ行き先が描かれているのに、直進は何も書かれていない点に注目。
この県道の起点は山。
いや、確かにもろ山中なんですが、これはれっきとした集落名。
敦賀市山地区を起点にする県道ってことです。
敦賀では子どもが描いたバスのように、「山行き」のバスが普通に運行しています。
しかしなぁ・・・、もうちょっと特徴あるだろうに、そんなこと言ったら敦賀の南側は全部「山」だよ・・・。
1時間に2本程度の小浜線の踏切を超えるといよいよ山(2つの意味で・・・)が近付いてきます。
そこにこの巨大建造物、異彩放ちまくりです。
これは2014年開通予定の「舞鶴若狭自動車道(まいづるわかさじどうしゃどう)」。道好きとしてはなんか複雑です。
高速道路も大好きですし、繋がれば小浜、舞鶴、福知山といった西側の都市へのアクセスは格段に良くなるでしょう。
しかしこの山の穿ち方、えぐり方を見てると、僕の好きな広葉樹の山の風景がどんどん削られていってるようで・・・。
・・・う~ん。
舞鶴若狭自動車道をくぐるといよいよ見えてきました。
ここが黒河林道の起点。そして福井県道211号山櫛林線の起点でもあります。
ここからはアクセルワークとハンドルワークがものをいうリアル林道区間に突入です。
黒河林道に入って一発目の支線アシ谷林道です。
黒河林道は実は専用林道、つまり本来は林業従事者の身が通行する林道です。
つまりここに部外者が足を突っ込んで、なんかやらかしても「当方(敦賀営林署)は知ったこっちゃありませんよ」ということ。
そんなわけで支線にはバッチリチェーンが。
そりゃ専用林道のさらに支線なんて、本業の人もめったなことがないと行かないんだろうなぁ。
これが僕の愛する黒河林道の風景。
新緑が美しい。
ガレの少ない砂利道。植林ではない本来の森。
福井県では数少ない「林道」を感じさせてくれる林道です(なんのこっちゃ)。
・・・あれ?
倒木ですね。わかります。
しかし黒河林道はこの先の黒河峠が「花の山」赤坂山の登山口になっていることもあり、通行量は意外とあって整備されてるはずなんだけど・・・。
すっごい先行き不安。
これが黒河林道の特徴ともいうべき、退避所。
見えにくいですがここはNo26ですね。
峠を0として黒河林道側のみにある次の退避所までの距離まで記載されているという親切な退避所です。
まぁなんというか林業従事者っぽいと言えばぽいですが。
そんなこんなで3回ほど倒木のトンネルをくぐって出てきたのが支線クチナシ谷林道。
クチナシが自生してたんでしょうか?
時間あれば走ってみたい林道ですが、ここにもしっかりチェーンが。
ぎゃあああああ!
いよいよ路面の悪化が本格化。
路盤陥没地点までありました。
あり得ないほどのサイズの落石が道の真ん中に転がってたり、木の枝と落盤のブービートラップが仕掛けられてたり、気の抜けない区間です。
というか・・・クチナシ谷支線を抜けてからいっきに路面状況悪化したんだけど、はっきり言って嫌な予感しかしない。
さて、盲腸線(本線からヒョロッとでた短い支線)を除けばこれが最後の分岐、支線アシ原谷林道。
一般的に黒河林道には3つの支線があると言われていますが、現在では3つとも通行止めの憂き目にあっているようです。
大分標高が上がってきたようで、残雪の姿も目に付くようになってきました。
これはこのまま峠まで行けるんじゃねえの?
悪い予感は杞憂か。
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