賤ヶ嶽隧道

賤ヶ嶽

これを一発で読める人は歴史好きの方でしょう。

豊臣秀吉と柴田勝家が合戦をした七本槍で有名なアレです。


奥琵琶湖に位置するこの山を貫く道は現在2本。

天下の幹線国道8号賤ヶ嶽トンネル。

そして国道8号の旧道、滋賀県道514号飯浦大音線の

賤ヶ嶽隧道(しずがたけずいどう)

個人的に好きな隧道ポータルランキングで1位に君臨するこの隧道。

皆さんも気に入ってくれたら嬉しいです!

ここが滋賀県道514号飯浦大音線の終点です。

長浜市木之本の敦賀側の外れに位置するこの交差点、

左は湖周道路、右が賤ヶ嶽という観光地らしい交差点です。

賤ヶ嶽の向こうにようがある僕は当然、右折です。

この県道、正式名称は飯浦大音線(はんのうらおおとせん)なんですが、

読みの都合上か、ここでは「飯之浦大音線」と表記されています。

ただの間違い?

道好きの方が見れば、明らかに隧道に備えた線形。

期待が高まります。

右に見えている索道は賤ヶ嶽ロープウェイです。

これのおかげで旧道とはいえ、かなり良い状態で道が続いています。

そしてこの道が賤ヶ嶽ロープウェイへ続く道。

ここを離れれば、いよいよ旧道らしい姿が見えてきます。


この近くには「首切地蔵」なるお地蔵さまがあるらしく、

案内板がそこかしこにありました。

合戦に由来するのでしょうが、なんか怖い・・・。


しかしネット上で探してもあんまりそのたぐいの話は無いようです。

合戦場があったり、首切地蔵があったり、そんな話作りやすそうなのに。

まぁ道路趣味者としては喜ばしいことですが。

そうこうしているうちにすぐ目的の隧道は見えてきます。

しかし、相変わらず・・・

でかい!

昭和2年生まれというこの賤ヶ嶽隧道。

プレートでも確認できました。

延長が尺で記入されてる隧道は珍しいです。

大概その時代の隧道はプレートなんてありませんから。

その点でもここが非常に重要な道路であったことがうかがえます。

イギリス積みで積まれた煉瓦造りのポータル。

笠石より上に行くピラスター、縦長の迫石など、僕の琴線をくすぐるおしゃれを着こなしています。

現在でも完全2車線通行可能なほどの広さを有する大隧道。

アーチはその幅員を作り出す為に扁平になっています。

この努力が良い。

こういうところが限りなく大正生まれに近い昭和隧道らしいのです。

どうですか?皆さん?

いいでしょ?この隧道??


すいません。

テンション上がりすぎました。

しかし本当に好きなんですよ。

この荘厳な姿が堪らないのです。

内側をコンクリートで固められようと、昭和生まれのアイデンティティを忘れていない。

そしてでかい!

トンネルを抜けるとそこには日本一の湖、琵琶湖が一望できるポイントが。

ここは奥琵琶湖と呼ばれる琵琶湖の北端に位置する部分です。

晴れてると光輝く水面に竹生島が浮かぶ絶景が見られます。

現道が真下にあるということは、ここは賤ヶ嶽トンネルの直上と言うこと。

こういうアングルも実は大好きだったりします。

同じく滋賀県の水坂峠を思い出す・・・。

そして国道8号と合流して県道514号は終了です。

まぁ県道としては完全に迂回路としての役割を担っています。


その為、2年前には国道8号賤ヶ嶽トンネルが内部点検、清掃工事の為、

この賤ヶ嶽隧道が

約100年ぶりに現役復帰したのです!


これは胸が熱くなる!!

100年ぶりに直轄国道の役割を代打とはいえ、大正時代に竣工した隧道が担ったのです!

そんなドラマティックな展開を無事に終え、今は再び、迂回県道の隧道としての余生を送っている賤ヶ嶽隧道。

きっとまた100年後に現役復帰してくれるんだろう。

その時まで生きていたいなぁ。


以上、賤ヶ嶽隧道編

この道往けば act2

福井県を中心とした。酷道、廃道、旧道、峠、隧道の探索ブログ

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