馬背峠 Revenge 後編

前編に引き続き、最初の探索から約半年、ついにこの地に降り立ちました。

馬背峠(まじょうとうげ)

こうしてみると、ものの見事に割られてますね。

さすが元主要地方道。

廃道にするには勿体ない立派な道です。

・・・しかしどうしても気になるのが、

この微妙なサイズのコンクリートブロックはなんですか??

バリケードなのはわかる。

しかしそれにしても「可動式」にしては重すぎるし、「固定式」にしては軽すぎる(倒れてるし)、一番中途半端なサイズのコンクリートブロック。

国道421号の貧弱版か?

さて峠を過ぎるとそこは美浜町。

廃止後3年ということで、まだまだ看板も綺麗なままです。


しかしこの看板シュールだな。

ゆるキャラブームの昨今ですが、フグの美ちゃん昇天間近ですが(笑。

めっちゃ笑ってる浜さん・・・。

う~ん、ブラックジョーク・・・。

なんか美浜側の方が荒れてないか??

倒木が道にはみ出してるし・・・。


しかし明らかになだらかな美浜側。

道も直線的ですし、峠が敦賀側に寄っているということがよくわかります。

敦賀側は直線距離わずか3.3kmのところ、比高170mですからね。

高いだけのなだらかな峠よりは遥かに険しいのです。

「低山をなめるな」という山の声が聞こえてきそうです。

振り返り見た馬背峠

次にここに人が立つのはいつになるのだろう。

明日かもしれないし、来年の春かもしれない。

数十年後かもしれない。

もしかしたら法面が崩れて、・・・二度と人が立つことはないのかもしれない。

そんなことを考えると妙にさみしく。

切ない光景でした。

馬背峠は三内山と西方ヶ岳の間の鞍部に位置する峠です。

撮影方向にある西方ヶ岳(さいほうがたけ)は敦賀三山の一つのされていて(他は野坂岳と岩籠山)、標高764.1mの低山に分類される山ですが、馬背峠と同じく登り始めの海抜が0mですから、なかなか上り応えのある山として知られているようです。

美浜側には看板がいっぱい。

しかしどれも徐々に緑の海にのまれている様子です。

それも藪というより木による浸食です。


現役時代より枝が伸びた為、見えなくなっちゃった日本の渚100選「水晶浜」の看板。

もう見る人もいません。

しばらく行くと分岐が現れました。

これは地図にない道、しかも舗装されています。

トンネル工事用道路か?

それにしちゃ狭いが。

気になる・・・。

分岐した道はけっこうな勾配で直線的に下っていきます。

旧道としばらく寄り添うように並んでいましたが、気がつけばこの比高。

ここから旧道は谷に沿うので、この道とは離れます。

少しずつ現道の車の音が聞こえてくるようになりました。

この旧道もそろそろ終わりです。

そう思うと寂しいなぁ。


来年はさらに自然に帰ってるのかな?

「道が自然に帰るまで」ってテーマでレポしてみようかしら?

これさっきの道だよね???

勾配緩和の大きなカーブ一つ分をショートカットしてきた細い舗装路。


これは恐らく工事用道路で間違いないと思われます。

旧旧道とかじゃ・・・、ないはずです!

荒廃度ではやはり美浜側の方が上ですね。

台風が過ぎ去ったあとのような状態です。


しかし全線を通して思ったのは「致命的な損傷」は一切ないということ。

つまりいつでも現役復帰できる道でした。


個人的には市道としてでも現存してほしい。

「峠」というものを形骸化してほしくないという思いがあります。

人があって、道があって、交通があって、それで初めて峠なのです。

ただ名前の付いている山の低い所、それは「鞍部」でしかないのです。

気がつけば終点。

あそこで写真撮ったよ!


これで馬背峠旧道区間、完全制覇です。

封鎖地点のお地蔵さまに感謝し、手を合わせ帰路につきます。

しかしもう一度峠を越えるのもしんどい(笑)ので・・・。

折角のトンネル、使わせてもらいましょう!

徒歩では初の1000m越えトンネル!!

これはこれで楽しみです!!!

これが延長1405mのトンネルの内部です。

まぁどこまでも続く照明と轟音の世界です。


しかし「明るい」ということは素晴らしいですね。

もし歩いている最中に、トンネル内部の照明が全部落ちたら発狂するかも・・・。

そんなことを考えながら歩いてました。

でもこういう空間嫌いじゃないんですよね・・・。

トンネル内にも市境がしっかり明記されてました。

この直上が馬背峠(の近くの尾根)ということになります。


しかし車の運転中にこれを意識することなんてほとんどないだろうなぁ。

徒歩だからこそ見える景色もあるってことですね。

長いトンネルも必ず出口は訪れます。

敦賀市側に到着。

全行程1時間程の旅でした。


自分の走ったことのある道が廃道になっているという新体験。

新たな発見の喜びと時の無常を感じる寂しさが同居する有意義な探索になりました。

また来年来たいなぁ・・・。


以上、馬背峠Revenge編

この道往けば act2

福井県を中心とした。酷道、廃道、旧道、峠、隧道の探索ブログ

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