鹿俣峠
朝倉街道
南北朝時代に端を発す越前朝倉氏が、自身の居城である一乗谷への道を整備したことに由来する街道です。
具体的には鯖波(南越前町南条)から一乗谷に至る街道で、越前の国府(今でいう県庁所在地)である府中(越前市武生)を避けるように作られています。
これは南北朝時代に越前の国守護職だった西軍である甲斐氏(かいし)と敵対し東軍に所属した為(もともと仲は悪かったみたいですが)で、甲斐氏やその元締めである斯波氏(しばし)が拠点とした府中を通る北陸道が使えず、独自の道の開発が必要不可欠だったという所が大きいようです。
現在でもその多くは現存していて、県道や市道に転用されているものも多いです。
そして実は、前回の金谷峠も朝倉街道の峠だったりします。
今後は嶺南の「鯖街道」、嶺北の「朝倉街道」を中心に取り上げてみたいと思います!
では朝倉街道の峠第2弾、レポスタート!
さて前回、レポの締めとなったこの写真から今回はスタートです。
確認すると福井県道18号鯖江美山線と今回レポする峠を目指すこの県道との交差点。
福井県道238号一乗谷朝倉氏遺跡東大味線
(いちじょうだにあさくらしいせきひがしおおみせん)
県道名長え!
一乗谷の、町というには少し小さく、集落というには大きすぎる微妙な規模の住宅地を起点とするこの道。
かつては朝倉街道のメインストリート(他に3本ほど支線ともいえる道があり、金谷峠もその一つ)となっていた道でした。
今はその面影は薄く、細い集落道路となっています。
集落を抜けると道は広がるという法則に従い、片側1車線を確保した県道238号は一路山を目指します。
県道238号は短い路線で、この峠がこの県道の全てと言っても過言ではありません。
鹿俣峠(かなまたとうげ)
それがこの先に待ちうける峠の名。
一乗谷を目指すものにとって最後の関門となった峠です。
微妙にわかりにくい交差点。
まぁ判るとは思いますが右が本線です。
センターラインに従えばいいんですが、左の白線に従うと行き止まりに誘われます。
夕暮れ時はお気をつけて。
街道筋の雰囲気が濃くなってまいりました。
お地蔵様がそこかしこに鎮座されています。
中でも目立つこちらのお地蔵様に手を合わせて、先へ進みます。
きた・・・!
そしてついに朝倉街道は山へ挑みます。
センターラインも白線も消えた、険道丸出しの道に変貌した県道238号は一路鞍部を目指して登り始めます。
隧道もいいですが、切り通しや法面施工で越える峠も大好きです。
だってこの鬱蒼とした風景。
夜には絶対通りたくない雰囲気が漂ってます!
そして実はここ、冬期通行止めの路線です。
写真には写っていませんが簡易バリケードがあり、ちゃんと封鎖されてます。
僕はちょっと失敬して突入しましたが、もちろんお勧めはできません。
自己責任の世界です!
冬期通行止めということですが、もともとそれほど山の中の峠というわけでもないので、案外走れます。
ただ道の補修作業はされていないので、杉葉や落石は多いので注意は必要ですね。
もともとこの季節に走ることを想定してない道ですし・・・。
えぐりこむようなヘアピンカーブ。
高度差はそれほどないのですが、峠道自体短いので、なかなかの勾配で標高を下げていきます。
ヘアピンカーブは全部で3つ。
全部、良質(Rが小さく、線形が見渡せ、かつ勾配がある)のヘアピンです。
典型的な九十九折れの構造ですね。
・・・大好きです。
実はここには峠に至る朝倉街道の旧道が残っているのですが、残雪の為辿れませんでした。
今回はこういう抜けたところが多いなぁ。
やっぱ盛り込み過ぎの探索だったと反省です。
一つ一つじっくり行かないと見つけれるもんも見つけられないですね。
石畳が残っているとか・・・。笠取峠以来だったのに・・・。
行きたかったな・・・。
麓近くには街道の紹介看板がありました。
一乗谷の繁栄を今に伝える貴重な街道であるということがよくわかります。
そしてここ福井市東大味町は大河ドラマの誘致で有名になった細川ガラシャ生誕の地だそうです。
明智光秀も一乗谷に関係してたんですね・・・。
歴史は詳しくない・・・。
こんな感じで封鎖されております。
反対側にも同じようなものがありました。
隣の畑のおばあさんに明らかに不審な目で見られましたが、不法投棄しに来たわけではないので許していただきたい(笑。
何事も無かったかのように道は続きます。
まぁ低山の冬期封鎖県道なんて、どこもこんなもんですが。
そしてここまでくれば県道にも終りが近づいています。
ここで県道とぶつかって今回のレポは終了。
ぶつかった道は福井県道25号福井今立線(ふくいいまだてせん)です。
ここを左に曲がればこれも朝倉街道の峠の一つである戸ノ口坂に至ります。
ここはトンネル峠ですが、旧道の存在する峠なので是非行ってみたい!
春待ち物件ですな。
今回の探索こういうのが多い・・・。
以上、鹿俣峠編
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