下荒井隧道 前編

福井県には2本の私鉄があります。

福井鉄道とえちぜん鉄道

はっきり言って田舎の福井ではJRが鉄道輸送の主役であることは否めず、脇役のような扱いにはなっていますが、現在でも地域に根差した鉄道として頑張っています。


そして今回紹介するのは後者、えちぜん鉄道です。

えちぜん鉄道はかつて、京福電鉄が運営する鉄道路線でした。

それが2002年に福井県に譲渡されたものが「えちぜん鉄道」という第3セクターです。

現在、えちぜん鉄道には「勝山永平寺線」と「三国芦原線」という2路線が存在しています。


しかし、京福電鉄時代、「勝山永平寺線」はその名前が違っていました。

京福電鉄越前本線

(けいふくでんてつえちぜんほんせん)

それがこの区間の名前でした。

しかしJR越美北線の開通やモータリゼーションに伴い、昭和49年に一部区間が廃止となってしまいます。

京福大野駅ー勝山駅

そしてこの区間にはたった一つ、隧道があったのです。

そここそが今回の探索の目標!

気合いが入るぜ!!


ただ一つ、始める前に泣き言を言わせてください!

時期は選ぶべきだった!!!

レポ開始(涙)!!

今いる地点は福井県道168号藤巻下荒井線(ふじまきしもあらいせん・レポ未)の終点です。

直進は福井県道171号五条方松原出勝山線(ごじょうかたまつばらでかつやません・レポ未)の終点。

左右に抜ける道は悪名高き国道157号です。

地図で言うとこの辺り・・・。

あ、そうか。

ここも初登場だった。

勝山市(かつやまし)

ここには全国に名を知らしめる有名なものがあります。


それが勝山恐竜博物館。

じつはここ、世界三大恐竜博物館の1つなんだそうですよ。

世界三大ですよ??

日本全体でもそうそうないものが、こんな僻地(失礼!)にあったとは!!

ちなみに後2つは「ロイヤル・ティレル古生物博物館(カナダ)」「自貢恐竜博物館(中国)」なんだそうです。

実は凄いぞ!勝山市!!

まずは県道171号を使って反対側へ回り込みます。

地図を見てわかる通り、この過程で大野市に突入します。

大野側の方がアクセスがたやすいというのがその理由。

なにせ・・・。

県道から見えちゃってるんだもの。

まずはこっちから行くのがセオリーでしょ!!

これはいい廃れ具合。

コンクリートと植物のコラボレーションが素晴らしいです。

やはりこれだけわかりやすい立地にあると、同業者以外でも興味を持って立ち入るらしく、隧道まで来道が出来ていました。

蔦が凄過ぎて扁額が確認できない!!

探索日は5月25日・・・、真夏だったらと思うと恐ろしい・・・。

ま、なにはともあれ・・・。

おじゃましま~す!

木製のバリケードで塞がれた下荒井隧道。

横にあるわずかな隙間からするりと入り込めました。

肝心の洞内は・・・

良好!!

延長521m。

私鉄の隧道としては長い部類に入る隧道です。

しかし見事な直線です。

勝山側出口を見通すことができるので、へたれな僕も安心ですね。

・・・まぁ真ん中は当然真っ暗でしょうが・・・。

天井には綺麗に架線の跡が残っていました。

ここが鉄道隧道だった何よりの証拠です。

碍子(がいし・電線の絶縁体)も残っていて、保存状況の良好さが目立ちます。

バラストも残っています。

レールがあれば完璧なんだけどなぁ。

まぁこんな市街地の近くにある廃隧道じゃそこまで期待しちゃダメか。

いつかは見てみたいもんですねぇ・・・。

取り立てて洞内で発見はありませんでしたが(懐中電灯忘れたので何かあった可能性はあります)、機関士気分を味わいながら、勝山側までやってきました。

直線かと思ってたら、勝山側は最後微妙に左カーブしてたんですね。

さすがに500m以上あるとそこまではっきり見えませんし、実際通って確認するというのは大事な作業かと思います。

正直、なんかキレイ過ぎて未成線の隧道みたいとさえ思いました。

こちらには大野側にあった木製のバリケードの残骸が置かれ、真新しいフェンスが設置されていました。

まぁ結果は・・・見てのとおりです(汗。

ここは結構頑張りました。

チャリ同伴だったら無理だったな・・・。

まぁ隧道の倉庫化はよくあることです。

見なかったことにして進みます。

糠2号隧道もこんな感じだったな・・・。

これが、勝山側の下荒井隧道坑口。

なんか風化の度合いのせいなんですが、フレスコ画みたいになってます。


しかし改めてみると小さな隧道です。

小さいというか狭いというか。

調べてみたらやっぱりと折れる列車はかなり限られたらしく、もしかしたらこの区間の廃線化の要因の一つになったのかも・・・、なんて勘繰ってしまいました。


さて、本来ならここで探索終了なんですが、今回はそうはいかない。

むしろここからが本番。

そういるんですよ。

この下荒井隧道には。

旧隧道が!!!

初代大正生まれの廃隧道は後編へ!!

この道往けば act2

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