五波峠 前編

若丹山地(じゃくたんさんち)

丹波高地(たんばこうち)の北端に位置するこの山地は、福井京都県境を構成する700~900m前後の山々で形作られています。


この山地を超える街道で最も有名なものは何と言っても鯖街道。

小浜から京都に鯖を運ぶメインストリートです。

しかしこの鯖街道はルートが一つではなく、枝道が多くあり、そこにはその数だけ峠がありました。

さらに鯖街道以外でも木地師(山仕事に従事する人)達が利用した山道も多数存在し、現在名の残る峠も数多くあります。

今回紹介するのもそんな峠の一つ。

五波峠(ごなみとうげ)

それがこの峠の名前です。

かつては鯖街道の一つとして栄えた峠、その今をレポします。

さてここは京都府道38号佐々里峠から国道162号方面に走った先にある田歌(たうた)集落です。

写真は佐々里峠方面を写してます。

なぜ峠から下ってきたのに逆方向を向いてるかというと、ガス欠の危険があったから。

林道にはガソリン満タンで入りましょう!

これがこれから向かう道。

目印としては田歌舎というアウトドア施設のお隣です。

比較的わかりやすいところでした。

この道の名は・・・、

ビレッジライン

かつては林道五波染ヶ谷線(ごなみそめがたにせん)と呼ばれる道でしたが、舗装化に伴ってこんなこ洒落た名前をいただいたようです。


というかビレッジラインは通称なのかな?

どの地図見てもビレッジラインと記載されてるので、これが正式名称なんだよね・・・。

そんなことより既に見えてる先行き不安な文字。

通行止め

・・・行けるとこまで行くのが、俺のスタンスや!!

通行止めが宣告されている道としてはかなりきれいな路面状態。

案外いけるか・・・?

僕の本来の予定としては国道162号旧道の堀越峠を探索して帰るつもりだったんですが、時間管理が甘く探索中夜になっちゃうということで急遽選んだこの峠。

つうか朝の2時間の寝坊がデカかった(汗。

俺のあほ・・・。

まぁ泣き言を言っても始まらない。

後悔先に立たず!

今はこの探索に集中するぞ!!

※後日探索しました!

杉並木が続く、個人的には「京都っぽい」峠。

なんか京都の林道ってこういうイメージが強い。

府道の方がむしろ山奥感が強い気がするんですよね。

まぁここはかなり山奥ですが・・・。

すこぶる林道らしい良い雰囲気の道です。

越県林道というのは得てして、なかなか強烈なものが多いんですが、ここもその一つとなるのか・・・。

ビレッジラインからは林道がいくつか分岐しています。

林道芦屋線(りんどうあしやせん・レポ未)

こういうつくりを見ると、ここはくくりとしては広域基幹林道になるのかな?

林道の中核を担う背骨のような林道です。

通行止めの原因は「木材搬出の為」というつくづく林道らしい事情でしたが、ここがその原因のようです。

ただ今日は作業していない様子。

こいつはもらったか?

明るいうちに福井に入れるぞ!!

作業箇所は結構広範囲にわたっていて、作業してたら確実に通れなかったであろうことを実感しました。

台風で折れた木を伐採して木材にするという話も聞いたので、そのための作業かも。

結構土砂も散見されました。

通常の作業とは明らかに異なる現場。

思えば林道で林業作業をしてる光景初めて見たかも。

工事現場なら何度もあるんですが。

ここはちょっと焦った。

しかしきっちり車両が通れるだけの道幅は残されていました。

ここを通れたのはかなり希望が持てたぞ!

初めてビレッジラインを走破できそうだ!!

勾配はそれほど急ではありませんが、じわじわと標高を上げていきます。

5km強の距離をかけじわじわと上り詰めていくので、山道になれていればそれほど苦ではないでしょう。

なんか荒れてきた。

やっぱここにも台風の爪痕は残っていました。

左の橋は盲腸線、ちょろっと出て終わりの林道です。

超荒れてきた。

復旧はされているようです。

しかし作業区間を抜けたらとたんに荒れだす道。

ああ・・・、希望が萎んでいく・・・。

しかし復旧作業が入っているのは希望です。

よほど致命的な崩壊が起こってない限り、復旧作業が行われてるという証拠ですから。

まだ希望は完全に潰えていません!!

なんか全体的にえらい写真がぶれてるな。

夕暮れが迫っていたから焦ってたんでしょう。

次回からカメラを新調(COOLPIX S6500)したので、ちょっとはマシになるかと。

とりあえず道は相変わらずのまま登っていきます。

気が付くと周りの風景が変わっています。

右側は相変わらず杉の緑林地ですが、左の斜面は照葉樹の林。

右は京都の風景、左は若狭の山の風景、そんな印象を受けました。

一言、良い!!

道は荒れてますが、僕だんだんこの道の魅力に引き込まれていました。

杉はいつしか姿を消し、照葉樹の林が辺りを包みます。


さて次回はいよいよ峠へのアプローチ。

僕は峠に建てるのか!?

この道往けば act2

福井県を中心とした。酷道、廃道、旧道、峠、隧道の探索ブログ

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