雄島隧道

僕は正直、心霊関係の物はほとんど信じない類の人間です。

ですから曰くつきと言われる隧道や廃道なんかも、それほど気にすることもなく通過してきました。


しかし今回紹介するここは、あまりに有名すぎて触れないわけにもいかないでしょう。

心霊スポットとして全国区、これを目的にわざわざ東京から来る人もいるんだとか。

ネットで検索してもその類の物ばかりが語られているので、隧道にはスポットが当てられていませんでした。

そんな正に、曰くつきの隧道、

雄島隧道(おしまずいどう)

言わずと知れた東尋坊にもほど近く、東尋坊で自殺した人の遺体は地図左の雄島に流れ着くとのこと。

順路を逆回りすると呪われるだとか、夜島へ行く橋を見ると無数の手が伸びているだとか、あまり興味が無くても福井県民ならほとんどみんなが知っている心霊スポットである雄島。

その雄島へ向かう海岸線をトレースする市道にあるのが、今回紹介する雄島隧道です。


実はこの隧道自体も、相当いろいろ言われてます。

まぁ立地的にここに隧道があれば、そりゃなんか言われるよねって場所ですしね。

それに言われても納得できるようなもんもありますから。

取り敢えずこのレポはあくまで、隧道レポですので!

お間違えなく!レポスタート!

坂井市三国(さかいしみくに)

眼鏡橋へのアプローチでも使った福井県道7号をさらに奥に進むと、雄島への入り口となる市道との分かれ道があります。

雄島は観光地としても有名なので、かなりわかりやすいので迷うことは無いでしょう。

今回のレポは雄島を目視したこの地点からスタートとします。

島全体が火山岩の一種である流紋岩でできている雄島。

東尋坊と同じく、柱状節理が発達し非常に風光明媚です。

心霊現象の一種とも言われるコンパスの異常は、流紋岩に含まれる磁気によるものでしょうね。

青木ヶ原樹海でも同じようなことが起こるみたいですし。


駐車場からあふれた路上駐車の脇をすり抜け、さらに奥に道は進みます。

橋を通り越すとすぐに、目的の隧道が見えてきます。

雄島隧道

竣工年がはっきりせず申し訳ありませんが、それなりに古くからここにあったことは分かっています。

現在の姿は改修を受けたもので、初代は素掘りだったようですね。

現代なら開削してしまいそうなほど、土被りが少ない・・・。

扁額には隧道名の他にも情報がありました。

福井県知事 北栄造

北知事の任期は1959年から1967年ですので、この8年間の間に改修されたということになります。

昭和30~40年代ですか、見た目通りの年齢といったところですね。

パッと見、普通の隧道・・・。

延長も短いので、なんてことはありません。

しかし良く見てみましょう。

一ヶ所違和感がありませんか?

中央まで来てフラッシュオフだとこんな感じです。

慣れてくるとこの闇が心地よくもありますが。

しかしここまで来ると、先ほどの違和感の正体に出くわします。

というか気づかないわけがありません。

洞内分岐!?

蘇水峡隧道以来の洞内分岐か!?

こんな短い隧道なのに、やってくれるな!!

よし、まずは左からだ!!

終了・・・

こっちは素掘りね・・・。

出た先に道はない。

すっぱりと海へ切れ落ちています。

これはもともと道はなかったんじゃないか。

あまりにもクリティカルな状況です。

ここで僕は一つの結論に至りました。

これはおそらく隧道ではない。

海蝕洞

波が岩の弱い部分を削り続けた結果できる洞窟の一種。

海蝕洞と隧道が交差しているというのが、雄島隧道の分岐の正体です。


そして海蝕洞ならもう一つ、確実なことがあります。

それは山側は当然、行き止まりだということ。

振り返って見ましょう!

うおうぅ!!

妙に背後が明るかったのはそういうことですか・・・。

海蝕洞の奥には立派な観音様がいらっしゃいました。

お賽銭を入れて手を合わせていただき、写真をお願いしました。


実はこの観音様。

オカルト系の方々の間では「雄島の笑い地蔵」と呼ばれ恐れられてるんだとか。

よく見れば左の立札、恐ろしいことが書かれています。

「お賽銭箱に刃物が仕込んである」

なんか背筋が寒くなったぞ!!


それより写真を撮って気づいたんですが、観音様の奥にも続きがあるような・・・。

暗がりが続いてるように見えませんか?

ほらこの辺・・・。

この日はこの雄島隧道ともう一つ現役隧道の探索予定だったので、懐中電灯を持ってきていなかった!

そして車では今日も娘が寝ている・・・。

ほらこの辺・・・。

とはいえ海蝕洞ですからね。

この先に何かあるとも到底思えないのも事実。


正直気にはなりましたが、お地蔵様の脇をすり抜けて無灯火で探索するほどの穴ではありませんでした。

さて戻ろうかな。

これが雄島隧道東側ポータル。

これだけ見ると普通の顔してるのが堪りません。


しかし帰宅後、僕はふと気づいてしまった。

あの観音様は当然、初めからあの場所に設置されていたのでしょう。

時代背景なども考えて、観音様がもともと安置されていた海蝕洞に雄島隧道が接触したと考えるのが自然だと考えます。


ということは・・・。

あったはずですよね・・・。

海蝕洞の入り口に至る旧道

マジで???

・・・机上調査を継続しよう。

こんなもん下調べ無しで行ったら無駄死にだろ・・・。

旧道調査編へ!

この道往けば act2

福井県を中心とした。酷道、廃道、旧道、峠、隧道の探索ブログ

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