無賃橋
ただより怖いものはない
日本人なら一度は聞いたことのある諺かと思います。
今回、なかなかに面白い名前の橋を発見したのでレポを決行するわけなんですが、これがやはり奥深い。
それでは、レポスタート!
こいつはただモノではない風格!
中山道(なかせんどう)
江戸時代の五街道の一つで、現在でいう中央道に近いルートを通ります。
まぁ愛知や山梨を経由しないなど、差異はありますが、概ね内陸を通って江戸と中京・関西を結ぶ路線という意味では一致しています。
そこにあるこの橋、その名前が面白い。
無賃橋(むちんはし)
ここでは平仮名表記となっていますが、漢字でもしっかり「無賃」。
この橋に何があったんだ。
その歴史がめちゃくちゃ気になる!
もともと中山道の難所の一つだったこの場所、当時は橋や渡し船は有料が普通だったのですが、この橋は無料で渡れたことから無賃橋と呼ばれたとのこと。
ここで気になるのは、一般の人から費用をもらってたのに無料にしたなら、ただ働きじゃね?っていう点。
しかし、彦根藩はその辺が違いました。
なんとこの橋の株を彦根藩が買い取って、無償化したとのことです。
やるじゃん彦根藩!
そしてこの案内がある場所は親柱なんですが、こちらもめちゃくちゃオシャレ。
当然江戸時代からの橋ではないのは明らかです。
昭和7年竣工
立派な戦前橋じゃないですか!
この歴史でこの趣、もっと推されていい橋だと思います。
場所を書くの忘れてましたね。
滋賀県彦根市(ひこねし)
彦根城が有名ですね。
写真は牛頭天王(ごずてんのう)道と書かれた石碑。
中山道の終点は京都なので牛頭天王信仰の総本山ともいえる八坂神社へ至る道ってことですかね。
これは調べたんですが、判然としませんでした。
ご存じの方、お知恵を拝借できると嬉しいです。
戦前の橋としては異例の広さ。
センターラインこそないものの、ちゃんと車同士が離合できます。
中山道という道の格が窺えますね。
欄干もおしゃれだな。
こういうセンスがいちいちオシャレなんだよね、戦前の橋は。
大正ロマンと通ずるものがありますね。
この橋が架かっているのは犬上川(いぬかみがわ)。
淀川水系の一級河川です。
淀川水系というか琵琶湖に流入する川は全て淀川水系なんですが。
こちらの欄干は何があったのか頭の部分が無くなっています。
そういえば、本来橋の名前が入る場所も空白になってるな。
やはりダメージの蓄積はありそうです。
こちらが上流側。
上流と言っても琵琶湖河口近くなので穏やかなものですが。
しかし、昔はこの川が暴れたためにこの永久橋ができたということですから。
治水って大事ですね。
こちらが下流側です。
このあたりはもう琵琶湖に注ぐという意味では下流と言っていいでしょう。
呼び方が難しいですけどね。
対岸に渡ってきました。
こちらは親柱が健在です。
上流側がなんか新しそうに見えますが・・・。
なんかあったのかな。
こちらには無賃橋地蔵尊なるお地蔵様がいらっしゃいました。
お地蔵様がいらっしゃるということは、やはり江戸時代からの歴史を物語ります。
彦根に残る江戸時代の残滓。
未来へ残していきたい遺産ですね。
以上、無賃橋編
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