谷出山隧道群

滋賀県にはまだまだ知らない隧道が眠っている。

しばらく滋賀県のネタを取り扱えていませんでしたが、まだまだここにはいいネタが転がっているのです。

滋賀県のアンダーグラウンド(物理)へ。

レポスタート!

ここはどこやねんという話なんですが。

蒲生郡日野町(がもうぐんひのちょう)

滋賀県南部の中でも、敦賀からは結構遠いエリアです。

その場所がこちら。

滋賀県道183号日野徳原線(ひのとくはらせん)の旧道から農道に入るところ。

よほど目星をつけてないとなかなか止まれません。


地図上にはすでに隧道表記が見えていますね。

ずんずん進んでいきましょう。

旧道から農道に入るとすぐお地蔵様がいらっしゃいました。

これは地域としてこの地点が何かしらの境界だったという証です。

今も花が供えられ大切にされている姿に好感が持てますね。

進めばほどなく現れます。

地図で見てもわかる通り、旧道からの距離はそんなに遠くありません。

やはりあのお地蔵さまはここに対応していたのでしょう。

カーブミラー越しにもう見えています。

谷出山隧道(たにでやまずいどう)

正直、こんなところに隧道はないだろうという場所にポッコリ開いているというイメージが強い隧道です。

土被りも少ないのですが、農作業に従事される方からしたら重要な隧道だったのでしょう。

この隧道の最大の特徴は何といってもこれ。

コンクリートブロック造りだという点です。

レンガに比べて過小評価されることの多いコンクリートブロックですが、レンガからコンクリートの過渡期に造られたということもあり、その存在は希少です。

そしてここはなんか・・・補修雑じゃね・・・?

でっかいクラック入ってるし・・・。

まぁ大丈夫なんでしょう。

クラックというよりも隙間が広がったって感じですし。

それはそれで怖いんですけど。

隧道内に入ればこんな感じでコンクリートブロック感満載です。

これはこれで怖い人いそうだな。

落ちてきそうな感じはレンガより強いかもしれません。


そして一部の人にはここの名物となっているたった一つの蛍光灯。

とてもじゃありませんが、この長さの隧道全体の明るさは担保できていません。

夜は普通に怖いです笑

どうもこちらが正門だった様子。

ありとあらゆる情報がこちらに集約されています。

気合いの入った扁額です。

これは陽刻と呼ばれる技法が使われています。

字を彫るのではなく、周りを彫ることで、字を浮き上がらせる技法ですね。

どちらが大変かは言わずもがなですね。

南比都佐村(みなみひづさむら)耕地整理組合

南比都佐村は昭和30年までこの地域にあった村です。

現在でも小学校名などにその名が残っていますね。

そして耕地整理組合というところからも、この道がこの時代から農道だったことがわかります。

由緒正しき農道です。

そして結構衝撃の事実。

昭和5年3月竣工

まさか昭和1桁台とは思いませんでした。

余裕の戦前隧道です。

やはりコンクリートブロック隧道は大正から昭和前期なんですね。

貴重な遺産です。

さて、それでは次へ進みましょう。

地図で見た通り、ここにはもう1本隧道があるはずなのです。

隧道と隧道の間の道はこんな感じ。

完全1車線のまさに農道です。

ラブちゃんで入るのは結構ドキドキの狭さでした。

軽トラなら余裕なんでしょうけどね。

そしてすぐに現れたのがこちらの隧道。

まず狭い。

谷出山隧道よりも狭そうです。

しかしその姿は谷出山隧道に瓜二つです。

隧道内の様子も瓜二つ。

こちらの方が少し湿度が高そうですかね。

水の気配が強いです。

こちらも同じくコンクリートブロック製です。

再度の直線部は比較的長いコンクリートブロックが使われているのが特徴的ですね。

両隧道を造った人たちは同じではないかと予想されます。

ちなみに隧道内でライトオフだとこんな感じ。

直線の隧道なので、特に怖さはありませんね。

こちらは蛍光灯もありませんでした。

この隧道も長いものではないので、すぐに反対側に至ります。

そしてこの構図はどこでも映える。

デスクトップにしようかな。

そして振り返るとこの景色。

ここでここまで疑問だったものが噴出します。

この隧道は一体何なんだ!?

いろいろと調べた結果、

マジでわかりませんでした。

どうも滋賀県にある正体不明の2つの隧道のうちの一つとされているらしく、名前や竣工年全てが謎とのこと。

しかし、先述の通り、明らかに谷出山隧道との共通点があるので、同時期に竣工されたものと思われます。

農道という性質上、一般道路ほどしっかりと記録が残っていないのです。

便宜上、谷出山2号隧道と仮称しましょう。

抜けた先には農地が広がっていました。

農道に隧道というレアな存在。

しかし確かに轍は残っていますので、今も現役で稼働しています。

この謎はいつか解けるのか、そもそも名無しの存在なのか。

いつか、解き明かしたいですね。


以上、谷出山隧道群編

この道往けば act2

福井県を中心とした。酷道、廃道、旧道、峠、隧道の探索ブログ

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