京都遠征第2弾 琵琶湖疏水 蹴上インクライン 前編

前回の粟田口隧道レポで、いつもの隧道レポではほぼ必ず触れるあることに、意図的に触れずに最後まで言ってみました。
粟田口隧道は本来の用途で言うなら隧道ではなく、暗渠若しくは閉腹アーチ架道橋です。
その為、斜拱渠(しゃきょうきょ)という別の呼び名があったりもします。

つまり、この上は人工的な築堤。
それも超弩級です。
築堤へは隧道脇から登ることができます。
そこで目に入るのがこの構造物。

蹴上水力発電所

これはこの上にあるものと非常に密接に関わっています。
殉職者も出たようです。
そりゃ明治期にこれだけの大工事を敢行したのですからさも有なん。
敬意を込めて手前の碑を撮影しようとしたのですが・・・、

何をどうしても自分が写りこむ(笑

見事に磨き上げられてますよ。
さすがにここで自撮り公開するわけにはいかないので、これで勘弁してつかあさい。

そしてそうまでして作り上げたものの終着地の一つがここ。
さぁご覧あれ。

蹴上インクライン

インクラインとは傾斜鉄道とも呼ばれ、台車に荷物を載せてケーブルなどで引くことにより車両を移動させるものをいいます。
要するにケーブルカーと同じものですが、ケーブルカーは人を運ぶことをメインにしますが、インクラインは貨物を運ぶことをメインとしていることが違いですね。
こちらが蹴上船溜まり側、インクライン上部の光景です。
傾斜は結構なもんです。
鉄道としては通常ありえない勾配、インクラインならではです。
そしてこちらが南禅寺船溜まり側。
転がり落ちそうな錯覚を覚えます。
しかしまぁ歩いて降りる分には、危険は全くありませんが。
これ、間違いそうになりますが、僕の撮影地点は線路と線路の間。
つまり、非常に幅の広い複線が築堤の上に載っているというのがこのインクラインの実態です。
こうしてみると真ん中に普通の線路が走っているように見えるのが不思議ですね。
この石畳が丁度インクラインの直上です。
しかしこれ、歩きやすいようで歩きにくいな(笑。
枕木があるから等間隔で置けないんでしょうが、普通に横歩いた方が楽でした。
近代土木遺産になるとこういう説明板が出来てありがたい。
このインクラインの仕事は琵琶湖疏水を使ってここまで来た船を、安全に南禅寺船溜まりまで下ろすこと。
この傾斜はウォータースライダー、普通に船で下れば確実にどっか壊れます。
これが当時を再現した車両。
これはわかりやすいですね。
しかしごっついなぁ。

しかし気になるのは船溜まりの船をどうやって水から上げていたのか。

船を載せるのは人力だったのかな・・・?

クレーンなんて無かった時代ですからね・・・。
当然、土止めの煉瓦も明治時代のもの。
すさまじい耐久性ですね。
この調子なら200年もちそうですよ。
丁度いいところに橋がありました。
これは絶好の位置で写真が撮れそうです。
そしてこの橋自体も相当だな・・・。

大神宮橋(だいじんぐうはし)

大正12年竣工だそうですよ。
京の伊勢とも呼ばれる「日向大神宮(ひむかいだいじんぐう)への参道となっているこの道。
さすがの立派さです。

ベストポジション!

ここはいい!
インクラインの勾配が緩むポイントが良く割ります。
そしてこう見ると本当にジェットコースターみたいだな・・・。
振り返れば蹴上船溜まり。
まさにここで船を水から上げて、車両に積んでいたのでしょう。

限界までズームした第3トンネル西口

有名な第2トンネルほどではありませんが、こちらも凝ったポータルを持っています。
もうちょっと近くで見たかったな・・・。

逆から見てもやはりいい橋

これはこれで一ネタできるレベルなんですけどね。
ここではどうしたって霞んでしまいます。
もう琵琶湖疏水を完全に把握しようと思ったら、専門外なところも調べにゃならんのでそろそろパス。
琵琶湖疏水をじっくりやろうと思ったら触れないわけにゃいかんのでしょうけどね。
今回はこの周辺で。
調べるにあたってはこういう便利な看板が現地にあるので大体のことはわかります。
しかし全体像はすさまじく広いので、なかなかスマートにまとめるのが難しいのです。
そしてこういうのいいよね。
やはり扁額は華ですよね。
こういう特集する辺りセンスいいと思うんですよ。
さすが京都です。
とはいいつつも気になるので、周囲を色々確認していたらやっぱり直ぐ出てくるんですよね。
ここにもなんかあるな・・・。
もう一つ見つけちゃったよ・・・。

琵琶湖第2疎水トンネル西口

第2疎水はほぼ全線がトンネルという状況なので、水が地上から目視できるのは琵琶湖以降子の合流地点までありません。
琵琶湖疏水合流地点として、かなりの重要ポイントです。

隧道としてもかなり立派な造りとなっています。
これも正面から撮りたかったなぁ。
あえて航空写真で出してみました。
こっちの方がわかりやすいですしね。
疎水の機能が集中する重要地点であることが良くわかります。

地図で見るとこんな感じ。

この位置は船の四差路だったことが分かります。

まぁ舟は登れないので、合流分岐地点という方が正しいですが。

しかしそうなると気になりますよね。

このインクラインの行先!

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