京都遠征第3弾 伏水街道第四橋
人が空想できる全ての出来事は起こりうる現実である
漫画ONE PIECEの作者、尾田栄一郎氏は架空の物理学者ウィリー ガロンの言葉として、この言葉を作中で使っています。
この言葉は尾田先生のアレンジが含まれてはいますが、完全な創作というわけではないとの考察がなされています。
フランスの作家でSFの父と呼ばれるジュール ヴェルヌの「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」という言葉が元になっているようですね。
しかし、ヴェルヌの言葉は座右の銘としてもふさわしそうな人間賛歌に溢れた言葉ですが、尾田氏の言葉はニュアンスが変わっています。
一種の脅しというか、人間というより世界の可能性、歴史の可能性を追究せよという言葉に僕は聞こえます。
そう、今回紹介するこの橋。
初めて知ったとき、まさに冒頭の言葉が頭に浮かびました。
まずは見てくれ。
レポスタート!
伏水街道(ふしみかいどう)
京都五条から伏見を結ぶ東海道の枝街道、豊臣秀吉が開いた道とされていて、周辺の観光名所を巡る道として江戸時代には非常ににぎわった道だったようです。
特にこの周辺は参勤交代の際にも使われる道だったとか。
京都は歴史的な道がごろごろありすぎてありがたみが薄れるな・・・。
奥に見えているのが今回取り上げる橋。
こういう趣味をしていて、気にしてみていなければ、素通りされてしまいそうな小さな橋です。
しかし何もないかといわれれば、そうでもないようで。
ただこれが周囲の神社の案内板なのか、橋自体のものなのかは読んで見ないとわからないというのが京都あるある。
案内するもの多すぎぃ!
伏水街道第四橋
(ふしみかいどうだいよんきょう)
それがこの橋の名前のようです。
伏水というのは当然伏見のことです。
水運の要衝である伏見ですから、こういう漢字もあったことは予想されます。
ちなみに「だいよんきょう」でいいのかはちょっと謎。
「だいよんはし」もしくは四は古くは「し」と読むことがほとんどらしいので「だいしきょう」もあるか。
ちなみに「四」は訓読みが「よん」で音読みが「し」ですよ。
そこからいくと「だいしきょう」が正解な気もしなくもない・・・。
親柱は全て名前。
読みや竣工年の記載はありません。
まぁ古い橋何は言われるまでもありません。
ありませんが・・・、
明治6年竣工
当ブログで最古だった物件、阿曽隧道を3年上回ってきた!
明治六年てことは普通に西郷隆盛や大久保利通が生きていた時代ですからね。
それが普通に街中にあるんだから・・・。
ただね。
この橋の衝撃はそんなもんじゃない。
正直、妄想はしてましたよ。
世の中にはこんな橋もあるかもなぁって。
しかしまさかこうしてお会いできるとは思っても見なかった。
見ます?
行きますよ?
心の準備いいですか?
総石造真円アーチ橋
そりゃ逆光にもなるわ。
むしろ後光だよ、こんなもん。
なんなんだこいつは。
超大御所なのにはっちゃけすぎだろ。
そもそも真円アーチってなんだ。
アーチじゃねえだろ、これ!
サークルだよ。
こいつはサークル橋!
遠くから見たらめっちゃでかい管渠かと思うほど均整の取れた石積み
もはや芸術品。
そしてかつてはここに門があったようですね。
現在はスライドさせていた溝だけが残っていますが。
設置は後年のようですね。
水流は非常に少なめ。
七瀬川(ななせがわ)という淀川水系の一級河川ですが、まぁこんな変態的な形なので水量が多いと当然成立しません。
川幅いっぱい取れないもんね。
どう考えても。
しっかしこの乱積みよ。
左の真円部分とはえらい差だな。
まぁきっちり積まないとこの円は確実に作れないでしょうが。
この隙間は大丈夫なのか。
まぁ大丈夫だから持ってるんでしょうが。
まぁほとんど見れないこの形式
僕はここの他には後二箇所、京都市内某所にある円通橋(レポ未)と山科区に一箇所あるという情報(詳細調査中)という情報がある程度です。
円通橋は立地的におしゃれが求められますからね。
多少納得できる部分もありますが、ここはなぜこうしたんだろう。
見えないところに気を配るのが真のおしゃれということか・・・。
しばしご堪能下さい。
伏水街道には全部で4つの橋があり、ここがその南端の橋。
第1第2はすでに現存せずこの特徴的な親柱が残るのみとなっています。
第三橋は現存しており、立派に現役の橋として現在では直違橋通り(すじかいばしどおり)と呼ばれる道を立派に渡しています。
こちらも立派ですので、またレポしたいと思います。
こっちは王道で変態ではないですが。
碁盤の目といわれる京都市内。
この道もご多聞に漏れず南北にほぼ真っ直ぐです。
そしてその南端に今回の第四橋はあります。
北上していけば他も見つけられるでしょう。
ちなみに逆に北端付近で見つけたのが・・・、
これ(笑
クイックさんのレポ見てからつい探しちゃうようになっちゃいましたね。
なにはともあれ、今回の京都遠征はこいつを見たかったから来たといっても過言ではありませんでした。
山科の真円アーチも隙見つけて探したいなぁ。
もし京都以外で真円アーチをご存知の方がいたらぜひご教授願いたいです!
やはり人間が空想できることは現実に起こりうるのかもしれません。
なにはともあれ、夢が広がるいい橋でした。
以上、伏水街道第四橋編
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