粟野水力発電所遺構群 水路は続くよどこまでも編
水路上に現れた階段つきの謎の遺構。
しかしこれ、実は下を見ればすぐにわかるものでした。
水路から外れてちょっと山の中へ。
足元が切れ込んでいるのがわかります。
これだけだとなんだかよくわかりませんが・・・、
これはやっぱり・・・、
暗渠の下に暗渠!
もともと暗渠というのは開かれていない水路のこと。
この場合、水力発電所水路は蓋によって閉ざされた暗渠で、写真の煉瓦暗渠は築堤を掘られた暗渠ということになります。
後者の場合は閉腹水路橋と言い換えることも出来ますが、その定義は曖昧ですね。
逆に蓋が無く開かれた水路のことは開渠(かいきょ)と言います。
たぶん僕が過去に廃道で見た中でも最大級の倒木。
潜るのがちょっと怖かった・・・。
おそらく保守道はこの暗渠の上ということなんでしょう。
だからこそさっきの暗渠には階段があったわけですし。
そういう意味ではここも立派な廃道。
「粟野水力発電所保守道」の廃道と呼んでもいいのかもしれませんね。
こうしてみると幅の広い古道のようにも見えます。
しかしここの主役は水。
あくまで足元にあることを忘れてはいけません。
落とし穴もね。
時おり隙間だとか、落とし穴が仕込まれているので、程よく緊張を保ちながら歩ける素敵な廃道。
それでいてこういう切通しもあるので景色も楽しめます。
いやぁこの道いいわぁ・・・。
季節間違えなければ、最高の探索が楽しめます。
久々に蓋がはっきりと見える区間に入りました。
やっぱり蓋見えないと不安は不安なんですよね。
葉っぱが穴を隠していて踏み抜かないとも限りませんから。
これでひとまず安心です。
今探索を象徴する景色がこれ。
僕の黒河水力発電所保守道のイメージはまさにこの写真です。
人知れず山中に眠る謎の直線。
それがこの水路の最大の魅力といえるでしょう。
定期的になんかあるっていいね!
これは今までより大きい。
確認せねば!!
規模こそ大きいですが、これも水量調整用水門のようです。
手すりもついていて、より現役時の姿が想像しやすいですね。
手すりと通路は後付のようです。
石積みの水門はここでもその重厚な存在感を存分に発揮してくれています。
そしてここ、前回と違うところとしては、
水路自体もプール状になっているという点。
ここに一旦水をためて、水量を調節しようという意図が見られます。
他の水門に比べても重要なポイントだったのでしょう。
そしてここの水路は開いていた・・・
ということは・・・、
大雨のときは今もここを濁流が流れてるってことか・・・!
胸が熱くなるな・・・。
ここにも溝はありますが・・・、
そこを滑っていた門はもう在りませんでした。
看守を失くした水はその自由を制限されること無く、黒河川へ注いでいくのでしょう。
ちょっと見てみたいけど大雨降ってるときにはここまで来るのは至難の業だな・・・。
先ほどよりも明らかに高度差がでたので滑り台もより豪快に!
この高度差が電気を生み出すのですから必要な作業でしょう。
葉っぱが無ければちょっと怖いかもしれません。
水路入り口では段差を設けて、水量を調整していることがわかります。
水路上部の水だけが先に流れ、底部の水は黒河川に戻される。
いわゆる余水吐きの一種と言えそうです。
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