石川遠征第1弾 七海隧道群 タイムトンネル編

さてそれでは行きましょうか。
ちなみにえらい左に寄っているのは、逆さキノコの下に入りたくないからですよ。
圧迫感半端ないんですから。
そしてこの隧道内では時折、降ってくるようですよ。

煉瓦の雨が

ここは僕が過去に入った隧道の中でも有数の危険を秘めた場所です。
見た目がヤバくても安定している隧道もあれば、見た目は綺麗でも実際ヤバい隧道もあります。
ヘルメットは必須ですね・・・。
危険度が高いのは主に坑口付近。
中間部は比較的、安定しているようです。
まぁ風雨に晒され地質的にも脆いこの部分は、隧道全般のウィークポイント。
これは致し方ありません。
石材の壁面に煉瓦のアーチという第3隧道とそっくりな洞内。
路面状況もよく似ています。
しかし奥が暗いな。
ということはやっぱり出るか?

!!??

なんだあれ?

全面コンクリブロックだと!?

これは恐らく改修の跡ではないでしょうか?
煉瓦巻き、もしくは素掘りが崩れたので補修の意味で、後年巻かれたものと思われます。
後年とは言っても大正後半から戦前の可能性もありますが・・・。
そしてその奥にはやっぱり・・・、

素掘りですよね。

しかしこれだけ荒々しい。
いや、荒々しいというより猛々しいという方が似合うか。
そんな雰囲気の素掘りは久しぶりです。
地層の線が奥へ引き込んでいくように見えるのがまた趣ありますね。

いや、素晴らしい。

敦賀にも素掘りの隧道というのはいくつかありますが、ごつごつしているものが多いのです。
ここは滑らかで鑿の跡さえ見えるような。
そんな人の手を強く感じました。
しかしそんな楽しい時間は徐々に崩れ往く壁面で現実に引き戻されます。
なぜか奥だけすっごいぶれた・・・。
煉瓦の巻き立てが復活すると、その外が尋常じゃないことがわかります。
差し込んでくる光まで緑色だよ・・・。

思ったより酷そうだな・・・

隧道を抜けるとそこはジュラ紀でした。
隧道内で時の流れがおかしくなったとしか思えない有様。
ドラえ〇んの未来道具か。
3月初めでこれなら、夏なんて想像したくもないです。
そして振り返ればそこには驚愕の光景が・・・、

本当に同じ隧道なのか???

本当に同じ時間が流れたとは思えない!!
僕は時間のるつぼに迷い込んだのか・・・?
ポータルを構成していた煉瓦は完全に崩れ落ち、もはやそこにあったということしかわからない状態。
よくアーチ残ってるな・・・。
倒木にシバかれながらも辛うじて煉瓦を残す向かって左側のスパンドレル(だった場所)。
しかしそれももうゴソゴソ抜けています。
この上に乗ったら一気に崩れ落ちるんじゃないか。
そんな怖さを感じます。
そしてここに落ちている石は、隧道の腕であり足であり、体の一部そのものだったもの。
そう思うと無下にその上に乗るのもたばかられます。
お前頑張ってたんだよな・・・。
こっちから見るとまるで印象が変わる七海第2隧道。
魔窟と呼ぶに足る恐ろしい形相です。
隧道と隧道を結ぶ中間部の探索はまた今度来る機会に回して、僕は先を急ぎます。
何せここは能登半島の先端部。
いろいろと時間が無いのです。
今度は泊りがけで来たいなぁ・・・。
穴水町の中心部からほど近い場所に眠る煉瓦隧道。
しかしそこは危険の伴う素敵なものでした。
能登にお越しの際はぜひお勧めしたい物件です。
ヘルメットはお忘れなく!

以上、七海隧道群編

この道往けば act2

福井県を中心とした。酷道、廃道、旧道、峠、隧道の探索ブログ

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