栃ノ木峠
「三重県遠征」の第1弾で紹介した迷走区間、この区間があった国道を皆さん覚えておいででしょうか?
国道365号
この時のレポでも触れたことの繰り返しになりますが、この国道365号は石川県加賀市を起点、三重県四日市市を終点とする列島横断国道です。
おそらく福井県から三重県に下道で向かいたい場合、ほとんどの人がこの国道を利用すると思います。
実際、滋賀県長浜市木之本から三重県四日市市までは高速を利用するのと比較して、差は1時間以内と大変優良路線であることがわかります。
ただ、この路線には現在も(迷走区間は員弁バイパスで解決済み)、唯一の難所を残しているのです。
それが
栃ノ木峠(とちのきとうげ)
この難所を滋賀県側のあの隧道(笑)との交差点からレポしたいと思います!
それでは本編!
あの隧道のある福井県道・滋賀県道140号敦賀柳ヶ瀬線の終点である国道365号との交差点。
231kmある全線通して唯一ともいえる山岳区間のスタートです。
この峠、実は2つの峠を内包する峠としても知られています。
実際、「峠」と言った場合、「麓から続く道が山の鞍部を通過する場所」となります。
これは狭義の峠の解釈ともとれるのですが、では「峠道」と言った場合はどうでしょうか?
「麓から山の鞍部を通過し、再び麓まで下りてくる道」が峠道と言えそうです。
峠道の場合、一つの峠を越え麓に降り切るまえに、再び峠を越える必要が出てくる場合があります。
それこそ今回紹介する連続峠の正体、両白山地の苛烈な地形が強いた道形なのです。
その2つの峠、ひとつはもちろん栃ノ木峠、あと一つの名は
椿坂峠(つばきさかとうげ)
滋賀県から福井県へ向かう場合、まずはこの峠を相手にしなければなりません。
やってやろうじゃないか!
椿坂峠の峠道に入るとこのように集落をバイパスする新道旧道を見ることが出来ます。
現役の旧道と言うことで、ちょっと寄り道。
まぁわかりやすく旧道って感じの道でした。
石垣が残っている等、北国街道を踏襲する国道365号ならではの歴史を感じることもできます。
突然目の前に現れた派手な色遣いの看板、どうやら椿坂峠にトンネルを通し椿坂峠道路なるものを建設中の様子。
まぁここをバイパスしたところで、
より強敵(栃ノ木峠)が背後に控えてるんですが
気にしませんか、そうですか。
いよいよ険しさを増す国道365号。
いつの間にか中央線が消えているあたりが、この先の険しさを匂わせます。
ロックシェッドの上がジャングルに!
そんだけ土砂がシェッド上に降り積もってるということ、シェッドがなかったら今頃落石事故が多発していたであろうことは間違いなさそうです。
前哨戦とはいえ標高497mを有し、500m級に分類される中堅格の椿坂峠。
道のりは楽ではありません。
ようやく見つけました。
電柱の所在地票に「ツバキサカトウゲ」の文字。
こういう形でも現存してるってのは、いいことですね。
あ、でも今は旧道になってるのか・・・。
下り始めてすぐに出てくる謎の廃墟。
なんでしょうか?
めっちゃ鋭角な三角形なんですが。
・・・ムーミン谷みたい・・・。
そして椿坂峠道路の福井側の坑口。
こんな間近でトンネル工事なんてなかなか見れないですよね。
しばらく見いっちゃった。
不審者だなぁ。
栃ノ木峠と椿坂峠の中間地点は余呉高原というリゾート地となっています。
滋賀県側は椿坂峠の登りでかなり高度を稼いでいることがわかりますね。
あとは一路高原の果て、栃ノ木峠を目指します。
栃ノ木峠着。
ここが福井県と滋賀県の県境となっています。
標高538m、杓子越(しゃくしごえ)や虎杖崩(いたどりくずれ)という別名も持つ、北国街道最大の難所です。
ちなみに中央分水嶺の一つでもあり、
この峠を境に南は太平洋に、北は日本海にそれぞれ川となって水が流れます。
椿坂峠とは違い、こちらにはわざとっぽく見えるほど立派な峠名碑や由来が紹介されています。
個人的にはここまでごちゃごちゃしている峠はあんまり好きじゃないんですよね。
むしろひっそりお地蔵さんが見守っているような峠が好みです。
まぁ現役幹線国道の峠でそんなとこは皆無でしょうが・・・。
ただ・・・、この峠の由来となった栃の大木だけはたまらなく好き。
一体いつからあそこに立って人の往来を見つめてきたんだろう。
排気ガスにまみれ、アスファルトに根を断たれても、あそこに佇んでいる老木。
陳腐な案内板より、よっぽどこの峠を深く語っています。
峠から福井県側を眺めた景色です。
しかしとんでもない所に橋架けたもんだなぁ・・・。
架かっているのはただのガーダー橋ですが、ここにアーチ橋が架かってたらすんごい絵になると思うんだけどなぁ。
まぁ後の祭りですが。
う~ん、人間てすごい。
おおおおおおおこええええええええ!
橋上から見下ろした写真見て、自分でもびっくり。
目測で30mくらいはありそうです。
残雪の残る沢。
かつては別ルートがあったそうですが、それはそれで命がけになりそうな気もするな・・・。
そして福井側はいっきに下ります。
写真のような掘割をはじめ、あらゆる土木技術(隧道以外)を駆使し、かなりの勾配で駈け下りていきます。
この急激なヘアピンカーブ!!
こういう無茶な道形が大好物な僕としてはもう堪りません!!
4つ連続するつづら折れの中で最も急な個所。
ハンドルミスしても守ってくれるのは、いかにも脆弱なガードロープのみというスパルタ加減!!
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