魚見峠

今回のタイトルはけっこう悩みました。

うちのスタンスとしては目標物が何であるかでタイトルを決めています。

その路線に「トンネル」「隧道」「峠」があれば、当然それらを目標物としタイトルとしています。

それらがない場合は、酷道、険道としてレポのタイトルを飾るわけです。


今回紹介する道には峠が存在します。

魚見峠(うおみとうげ)

標高710mというかなりの高さを有する峠です。

まぁ目標には違いないということで一応のタイトルを勝ち取りました。

しかしこの峠の名すら、今日走る道の前では陰ってしまいます。


その道の名は・・・、

福井県道203号池田南条線

(いけだなんじょうせん)

県内の道路趣味者が愛してやまないこの路線の現状をレポします!

ここが起点の交差点。

福井県道201号菅生武生線との交点です。

直進するのが203号、右折が201号、このまま201号を辿れば「魚見坂」という別の峠に至ります。

名前が同じなのはこの集落の名が魚見だから。

便宜上、この交差点を「魚見別れ」としたいと思います。

魚見別れにある青看板。

注目すべきは203号の行き先です。

「金山」は池田町内の地名、つまりこの看板は、

「普通に辿りつけるのは金山までだからな!」ということを伝えているのです!

青看板にすら見捨てられた峠・・・。

起点直後は、爽やかな田舎の県道。

この先起こることなどみじんも感じさせない長閑さです。

次の青看板では申し訳程度に、「南越前町」の文字が現れました。

しかし注目してほしいのは、一番右の看板。

近くで見てみると・・・。

通るなと言いたいのか!?

露骨に嫌そうな看板。

道路趣味者の間では「4点セット」と呼ばれ、ちょっとした有名ポイントです。

しかし数年前まで、マジでこの状態だったことを考えればある意味親切かも・・・。

4点セット看板の先には最後の人影が見れるこんにゃく道場があります。

こんにゃく道場に対する突っ込みは無しでお願いします。

僕も心の中で突っ込みましたが。

そば道場はいっぱいあるんだけどなぁ・・・。

道はまだ辛うじて平穏を保っています。

しかしすぐに・・・。

林道状態に!

これでもこの道、この5年ほどのうちに急激な進化を遂げているのです。

何を隠そう、5年前は峠道区間全てがダートという全国屈指のダート県道だったのです!

10年前の時点では7km弱のダート区間を誇った203号、しかし去年の時点では300mほどもまで縮小してしまっていました。

今年はまさか・・・、完全消滅か!?

遠くの山並みに見える引っかき傷がこれから走る峠道です。

しかし相変わらず・・・とんでもない所を走ってるな。

舗装に伴って多少の拡幅と退避所の工事も行われた様子です。

しかしこの退避所、一つのハンドルミスで底の見えない谷へダイブですよ。

他の場所で離合するよりマシとは言え、スリリングすぎる離合です。

峠に近付くとこんな看板が。

「何をいまさら!!」そう言いたい気持ちもわかります。

しかしここから・・・、

確かにやばい!!


ここに匹敵するのは、あの福井県最強峠「温見峠(ぬくみとうげ)」の落ちたら死ぬ区間くらいじゃないでしょうか。

しかもここはほんの5年前まで、舗装すらされていなかったのです!

これが福井険道トップクラスの実力です!!

工事用仮設道路のような姿を見せる203号。

道路がへばりついている平地はもはやギリギリです。

しかしやはりダートは残っていない様子。

これは正直、悲しいな・・・。

谷を挟んだ対岸にも当然のように貧弱な道が。

繰り返しますが、驚くべきことにこの道は、5年前までダートだったのです。

というかこの区間は恐らく、去年までダートだったような気がする。

この区間で起こる土砂崩れで,しょっちゅう不通になったんだよなぁ。

懐かしい・・・。

魚見峠、着。

標高710m、「岩谷峠(いわたにとうげ)」の別名があります。

この道の最大の利用者は登山客の方々でして、峠には・・・、

このようなログハウスと駐車場があります。

ここからは野見ヶ岳や武周ヶ池への登山道があり、シーズンにはそこそこの利用があるようです。

あの道の途中で離合とかなかなか嫌だな・・・。

峠にはアジサイで彩られたお地蔵さまが見守ってくれていました。

探索は7月末でしたが、峠ではまさにアジサイが見ごろでした。

しかしこのお地蔵さま、少し可哀そうなことに。

アジサイ以外、禿山に!

法面施工の影響なんでしょうけど、これはちょっと可哀そうすぎませんか?

早い所緑化することを祈るばかりです。

僕はもちろん、手を合わせて南越前町側の麓を目指します。

池田町より植生が激しい南越前町側。

しかし地盤はこちらの方がしっかりしているような印象を受けます。

やはり池田側は植物も育たない急峻な地形ってことですからね。

この道の最大のウィークポイントはすでに通過したということでしょう。

しかし植物に隠されてるからと油断すると、

あそこから転落するして、きっと痛いじゃすまないケガを負う羽目になります。

下手すれば・・・、数10年見つからないなんてこともあり得ます。

かなり下ると砂利の採掘場がありました。

横谷トンネルでも砂利採掘場は出てきましたが、やはりここでも豪快に道路状況を悪化させてくれてました。

二輪車はスリップ注意のポイントですよ!

ほぼ終点という所まで来てついに!

片側1車線!

あたり前って貴いことですよね・・・。

久々の人里です。

ここはもうほぼ終点。

起、終点以外で唯一の県道との交差点。

福井県道202号中小屋武生線

(なかこやたけふせん)

こちらは至って普通の県道です。

そしてここが終点、国道365号です。

この交差点からはあの光景は想像付きません。

実際は命にかかわる道なので通行には最上級の注意を払ってください。


四輪車走行難度は

狭さ 3 (通常区間、離合不可)

落石 0 (いちおう県道です)

勾配 1 (等高線にそってるので意外と勾配はありません)

路面状況 1 (砂利採石場がなければ0)

設置物有無 3 (設置物はほぼ皆無、ある意味これが一番怖い)

特殊評価 2 (崖沿い崖側の退避所、落下フラグです)

合計 レベル10 (最低0 最高20)


まぁ県道が叩きだせる中では、かなりの高得点なのは間違いないでしょう。

ここを越える県道を僕は1つしか知らない。

その1つもいずれ紹介することとなるでしょう。


以上、魚見峠編

この道往けば act2

福井県を中心とした。酷道、廃道、旧道、峠、隧道の探索ブログ

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