白木峠

馬背峠編で敦賀市と美浜町を行き来する道は全部で4本あるという話をしました。

国道27号 旗護山トンネル(はたごやまトンネル)
福井県道33号佐田竹波敦賀線 馬背峠トンネル
福井県道225号敦賀美浜線 関峠


そして最後に最も地味ながら、かなり特異な位置にあるトンネルを紹介します。

それがここ!

白木トンネル(しらきトンネル)

初めて地図使ってみたのでちゃんとできてるか不安です(笑。


福井県道141号竹波立石縄間線

(たけなみたていしのうません)

それがこの県道の名前。

別名としては「敦賀半島周遊道路」とも呼ばれます。


ただこの別名はめったに使われることはありません。

なぜならこの県道141号は分断県道、半島先端に不通区間が存在するのです。


そしてこの不通区間には、今時小学生でも知っている、話題のあの発電施設があるのです。

高速増殖炉 もんじゅ

敦賀市を知らなくても「もんじゅ」は知っているという人も多い有名人。

現在は稼働していませんが、敷地内に立ち入ること等許されるはずもない。

鉄壁の守りを敷く発電所がそこにはあります。


そしてこの県道が分断しているせいで、もんじゅのある白木集落の人たちは、敦賀市民でありながら美浜町を経由しないと敦賀市役所に辿りつけない!

そんなジレンマを抱えています。

でもまぁまんざらでもなさそうですが・・・。


まぁもんじゅは置いておいて、今回紹介するのはその白木集落の生命線。

白木トンネルの旧道峠です。

実はそれほど大がかりなものになるとは思ってなかったんですが、ここにはあまり知られていない素敵スポットが眠っていました!

いざ、レポスタート!

さて、ここは馬背峠を越えて美浜町に入った最初の交差点。

左は福井県道33号、右が今回進むべき福井県道141号です。


奥に見える変わった形の建物は美浜原子力発電所。

もんじゅはさらに奥です。

福井県道33号をそのまま海と山の位置をひっくり返したような印象の県道141号。

まぁ路線名が変わって、道が分断してるってだけで、実際は同じ道ですからね。


左に見える駐車場は日本の渚100選選出の「水晶浜」のものです。

サンセットビーチは大変美しかったですが、僕のカメラの性能と腕じゃ逆光に耐えうるほどの写真は撮れませんでした(笑。

ここは是非ご自分の足で!

路線名にもある竹波集落に入りました。

小学校などもあるかなり大きな集落です。

そしてここにあるのが・・・、

かなり遠くになっちゃいましたが・・・。

丹生大橋(にゅうおおはし)

美浜原子力発電所に通じる唯一の道です。

もしかしたら裏道的なものがあるかもしれませんが、普通に出入りする場合、必ずこの橋を通ることになります。


ガーダー橋とランガ―橋を組み合わせた独特の景観の橋は非常に目を楽しませてくれますね。

一種のランドマークのようでさえあります。

実は丹生大橋の手前あたりから、美浜町側の最終集落である丹生に入っています。

この辺りはその中心部。

つまりここから先は延々と山道区間ということになります!

しかし思いのほか立派な県道、この先に発電所があるというのも大きいのでしょう。

万が一の際に、緊急車両がすぐに辿りつけるようにとの措置かと。

・・・でもなければ半島の先端の集落の為だけに片側1車線の立派な道を整備するなんてこと・・・。

あまり考えられません。

そしていよいよ白木トンネルというところに右の山中に入る道があります。

手前側は近くの広場ですぐ行き止まり、奥が県道141号の旧道です。

さぁこっからが本番!

これは良い旧道。

最低限の手入れのみで放置されている感じが堪りません。

こういう道はカーブ一つ曲がるたびに、次の景色が楽しみでしかたないです。

旧道はかなりの勾配で登っていきます。

かの暗峠には及びませんが、それでも30%近い勾配でカーブを繰り返し登って行く様はまさに圧巻!

昔はこの道が白木に至る唯一の道だったんだよなぁ・・・。

首なし標識

旧道の哀愁をこれ以上なく示してくれる屍です。

ここのものは全て首が刈り取られていましたが、胴体に残った「福井県」の文字が寂しいです。

(道路構造物に「福井県」などの県名が貼られている道は県道もしくは国道です。

これは旧道探索の重要なヒントになります)

ここから道が荒れだします。

どれくらいかというと・・・。

玄蕃尾林道以上、今泉林道以下って感じでしょうか。

まぁなんにせよ林道レベルです。

カーナビには表示こそされてますが。

道の真ん中に水たまりというにはあまりに大きな池が出来てる・・・。

まぁ車が泥まみれになるくらいは覚悟しましょう・・・。

ちなみに左の車道に見えるスペースは泥の路肩なので結局・・・。

馬背峠Revenge編ウツロギ峠編で見かけた県所有地の石碑を発見。

やっぱどうも「縣」て書くのがデフォのようですね。

しかし馬背峠のものと違ってこっちは旧道化してからの年季が違う(1985年旧道化)ので、旧字体も違和感が少ないです。

白木峠(しらきとうげ)、着。

標高145m、半島の峠の特徴である海抜0mから一気に標高を上げる地形の為、標高よりはるかに険しい峠です。

峠には周辺の地図(県道時代の名残?)の他、たった一つの施設しかありません。

あまり全景もどうかと思ったので、接写でご勘弁を・・・。

これはいわゆる、放射線観測施設。

・・・ここがただの峠では無いことを如実に物語る施設ですね。


ちなみに白木峠をgoogleさんで検索すると峠自体よりも、この施設で観測された放射線量が一番上に表示されます。

それはちょっと悲しいな、市民としては・・・。

峠を越えた道は日本海をバックに爽快に下っていきます。

爽快に・・・?

いや、正直言うとかなりビビりながら下ってます。

だってこの景色見ながら・・・、

こんな勾配だよ??

ブレーキが突然効かなくなったら間違いなく死にます。

かなり豪快に。

敦賀側を下りにするとかなりのスリルを味わえます。

勾配が落ち着くと発電所関係と思しき道が右へ左へと分岐しますが、一番太い道を辿ればそれが正解です。

ここら辺はまだまだ現役の様子、敦賀側の方が活発に利用されている様子がうかがえます。

降りたところはもんじゅの真ん前でした。

いささかビビる。

俺不審者じゃないよ!不審かもしれないけどやましい気持ちは無いんだよ!

心の中で言い訳をして、この場を離れます。


いやぁ良い旧道でした。

ヘアピンカーブも見れたし、久しぶりに「ザ・旧道」というような王道を味わえたように思います。

ここはまた来たい。


以上、白木峠編










え?完じゃないってどういうこと??

続く!

この道往けば act2

福井県を中心とした。酷道、廃道、旧道、峠、隧道の探索ブログ

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