紀伊半島遠征第6弾 紀北隧道群 三浦隧道

先に言っておきます。

これは敗走の記録です。

それも単純に

ビビり虫に憑りつかれた臆病者の記録です。


今回の1泊2日にわたった紀伊半島遠征中、最も悔いが残った場所。

再びここに立つまで僕はお前を忘れない!

三浦隧道(みうらずいどう)

連続性の高い紀北隧道群4番目の刺客。

道瀬隧道の次に位置する隧道です。

これだけ見ると今までの隧道と何が違うんだ?と思うかもしれません。


しかしこれがミソ。

これまでの長島海野、道瀬の3隧道はきっちり仕事をしていたのです。

三浦隧道の為にハードルを下げるという仕事を!

ではレポスタート!

さてこれが三浦隧道に対応する現道のトンネル。

三船トンネル(みふねトンネル)

なんで突然船になっちゃったの?

三船なんて地名周囲にどこにもないよ??


お隣を貫く紀伊本線のトンネル名も「三浦トンネル(みうらトンネル)」。

この理由は調べてもわからず仕舞いでした。

誰か教えて~!

ここの旧道はこれまでの隧道と違う点が一つあります。

これまで旧道は全て現道の左、つまり海側に存在していました。

それに対し、この三浦隧道は右。

つまり山側に位置しているのです。

ネットで調べたときにはなかったフェンスが設置されていました。

この日初めての「廃隧道」の前に立っていることを、否が応でも実感させられます。

・・・この時点で若干の悪寒はあったんですよ・・・。

目標視認!!

有刺鉄線越しとか、嫌すぎるだろ!

先に植えられた木が、この隧道を隠す廃道化工事の一環だということがよくわかります。

とりあえず向こうに行くぞ!

がさがさがさがさ・・・

ずるっうお!

がさがさがさがさ

ずざー

同じ人物が作ったであろうことが容易に想像できる、統一感のあるポータル。

保存状態も良好。

問題は・・・、

洞内・・・!!

水没はない。

ただ見える範囲が明らかにヤバい。

今まで閉塞隧道に入ったこともある。

ただそれはあくまで「人工的に塞がれた隧道」ということ。

リアルに現在進行形で崩れている隧道に入ったことはないのです。

あわわわわわわわわ

落ち着け俺。

洞内を歩いている最中に落盤が起きるなんて、どんな運が悪くてもありえないだろ!

いやでも直撃しなくても閉塞すれば暗闇の中で発狂・・・。

いやいやそもそも落盤自体そんな頻度じゃ起きないから!

起きてないから大正時代の隧道がこうして残ってるんだし!

いやでも来年100才の廃隧道だぞ?信用できるのか?

・・・取り合えず周囲を確認だ!(逃げ)

待避所!

これまで見た中で格別に保存状態がいいものです!

何せコンクリート吹付されてませんから。

上に笠石の意匠まであるとは意外。

どれだけこの隧道が大事にされたかがわかります。

振り返って撮影。

僕はこの後、先ほど入ってきたこの「入口」から出ていきました。

ビビったのです。

単純に恐怖に負けたのです。

闇は恐ろしい。

「もしかしたら」という想像を何倍にも膨らませます。

もちろんこの行為は日常生活より格段に危険なもの。

そんなことはわかっています。

しかしその危険をカテゴライズし、どの程度のリスクまでは犯せるか判断するのが、オブローダーというもの。

今から考えれば確実に行けたはずのこの三浦隧道。

僕の心はここで折れました・・・。

僕はこの光景を目に焼き付けました。

いつか必ずリベンジするため。

いつになろうとも必ずお前を通り抜けてやる!

必ずだ!!

最後っ屁とばかりにカメラのズームを最大にして撮影したこの1枚。

延長315mの暗闇はそんな悪あがきすら許してくれませんでした。

情けないぞ俺。


しかしここで折れた僕の心ですが、皮1枚繋がっていました。

何せまだあと隧道は2本残っているのです。

しかし2本とも廃隧道・・・。

このズタズタの心で逆襲はあるのか!?

まだ続く、紀北隧道群シリーズ!

再戦を誓って!


紀伊半島遠征 紀北隧道群 三浦隧道編

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