紀伊半島遠征第8弾 紀北隧道群 尾鷲隧道 後編
前編から進んで、大体中間地点に到達しました。
ここまで来たら貫通は時間の問題でしょう。
向こうまで行ったら引き返すしかないんだから(後述)
しかし隧道の荒れ具合としては、紀北町側の方が格段に荒れていました。
単純に地質によるものなんでしょうが、これから出る出口の状況を考えると・・・。
呪い的なもんもあるかもとか思っちゃいますね。
しかしこの非日常感。
オブローダーを名乗る以上、廃隧道という分野はある意味避けて通れません。
むしろ廃隧道というのは廃橋と並んで、廃道の花形と言われる存在です。
それもひとえに日常から隔絶された空間に身を置く快感。
RPGを地で行くような、自分が「特別な存在」であるかのような疑似体験ができることが魅力です。
ダンジョンには遺構という宝箱が置かれ、未知の廃隧道、廃橋を発見しようものなら(同業者だけに)英雄としての地位が約束されます。
もちろん崩落、藪、害獣などのモンスターやボスもいますが・・・。
基本的に一人で探索してるので、勝手にナレーション付けながら歩いてることも多いですが、怪しいもんじゃありませんので廃道で僕と会っても逃げないでくださいね!
しっかし錆まくってるな・・・。
海に比較的近い立地も関係しているのでしょうか?
大正初期から付けられていたとも思えないので、昭和に入ってからの後付けかと思いますが・・・。
昭和初期でも50年以上前のもんだから錆びてしかるべきもんですが。
遠かった出口も歩き続ければ近づくもんです。
後半は崩れてるところも少ないので、歩きやすかったですね。
しかし最後の最後にこの隧道最大の見どころが現れました。
素晴らしい!!
待避所にここまで凝るとは素晴らしいこだわりだ!
中になぜかママチャリが放置されてますが、それを差し引いても素晴らしい!
これだけでもここまで闇の中を歩いた価値がありました・・・。
尾鷲側は廃隧道らしく土砂が流入していました。
しかしこれで再び光ある世界に戻ってくることができました。
そういえば全体を見せるのはこれが最初だな・・・。
同じ岩井藤太郎設計の隧道ということがよくわかる、紀北隧道群おなじみの姿です。
現在このポータルを拝むには尾鷲隧道をくぐる以外に方法がありません。
それには深い事情が・・・。
他の紀北隧道群でも見た達筆な扁額。
おそらくこれがオリジナルなのでしょう。
隧道あたりは普通に書いてあったら読むのは困難かも。
しかし味がありますね。
さて先を見てみましょう。
木藪が邪魔をしてなかなか先は見通せませんが・・・、
なんかあるな・・・。
これは間違いないな・・・。
廃橋だ!!
かつては封鎖されていた形跡がありました。
しかしそれすら朽ち果てている完璧な廃道・・・。
まぁあの長い隧道を通らないとここには立てないわけで・・・。
訪れる人も少ないでしょうね。
同業者以外は・・・。
牛谷橋(うしたにばし)
それがこの橋のお名前です。
今はもはや橋と路面の区別すらつかない状態となっていて、全体が泥に埋まっています。
くるぶし位までずぶっと行きますよ。
そしてこれがその全貌!!
終了のお知らせ
限界まで寄った写真ですが・・・。
見事に落ちてます。
このまま谷底まで行こうかとも思いましたが、足元が悪く断念・・・。
命は大事です・・・。
対岸には道が見えます。
ここから先は現道とは別のルートをとっているので、対岸への探索は次回遠征に持ち越しです。
途中までは車で行けそうですが・・・、チャリもあった方がいいのかな?
情報を集めたいと思います!
ここにも白看板が残されていました。
やはりここも荷坂峠と同年代の廃道のようです。
北牟婁郡海山町(きたむろぐんみやまちょう)
2005年に紀伊長島町と合併して紀北町の一部となった町です。
「うみやま」ではなく「みやま」ですよ。
ここにたどり着けるのは尾鷲隧道の闇を乗り越えられた者のみ。
橋は崩れ落ちていましたが、これを見るためだけでも十分です。
来てよかった・・・。
そしてその奥には・・・、
また旧道疑惑・・・。
ここじゃないと思うんだけどなぁ・・・。
今回の遠征で最も長い廃隧道。
しかしそれだけに印象に残った隧道です。
通り過ぎた今となっては・・・、ただ美しい隧道。
本当にそう思います。
やはり現道に面している海山側より、この尾鷲側の方が個人的に好きですね。
さて次は翌日、和歌山県側の探索をレポします!
こちらもお楽しみに!
以上、紀伊半島遠征第8弾 紀北隧道群 尾鷲隧道編
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