紀伊半島遠征第8弾 紀北隧道群 尾鷲隧道 前編

いよいよやってきました。

紀北隧道群(と勝手に呼んでいる)6隧道の中で最も南に位置し、そして最も有名な隧道。

起工 明治44年
竣工 大正5年
設計者 岩井藤太郎
延長 481m

尾鷲隧道(おわせずいどう)

相賀隧道とは前座と大トリのような関係となるこの隧道。

なにせ相賀隧道の約5倍の長さを有しているのです。

ただ実は紀北隧道群最長かというとそういうわけでもなく、先に紹介した現役の長島隧道の方が10m程長かったりします。

ただやはり現役と廃ではその風格が違います。

そして個人的にもこれまで最長の廃隧道だった金ヶ崎隧道を抜いて、トップに挑むこととなる今回。

いろんな感情が渦巻きますが、悩んでいても始まらない!

いざ、レポ開始!!

いきなりどこやねんっつう話ですよね。

ここは国道42号現道、尾鷲トンネル脇の落石防止フェンスの裏側。

多分だけどこれさ。

こいつを隠すためなんじゃないかと思うんですよ。

怪談話もあるみたいですし・・・。

尾鷲隧道!

なんだけど近すぎ!

なんで俺こんな写真しか撮ってないの?

まぁテンパってたんでしょう。

そりゃテンパりますって。


いくら相賀隧道を抜けてトラウマを克服したとはいえ、今回はその約5倍。

500m級の隧道と言えば、現役でも短いとは言えない長さです。

だって・・・、

長 い

反対側の光が見えているのがせめてもの救い。


貫通は間違いない。

しかし僕はその中間部の闇の怖さを知ってしまっている。

ただやはり、知らなければそれを乗り越えることもできない。

今日、僕はその恐怖を乗り越えた。

さぁ、自分。

恐怖を乗り越えろ!!

垂れ下がる蔦が恐怖心を演出してくれます。

僕、基本的にお化け関係は全く無頓着です。

ただもちろん死者を愚弄する気もないですし、失礼なことをする気もありません。

ただやはり怪談話が出るのもうなずける不気味さ。

なんか追い抜いて行ったなんて話がネット上にありました。

白化してるね・・・。

こいつが起こると煉瓦隧道は余命宣告をされた状態と言えます。

しかしもはや修繕するものもないこの隧道。

静かに崩れていくのでしょう。

でもその前に、通らせてもらおうか。

あえてフラッシュオフで現地の雰囲気を演出してみたり(笑)

結構余裕あるじゃないか。

まだ出口近いですからね。


写真は煉瓦部と素掘り部の切り替わり地点。

ここからが本番と言えます。

洞内には通信用ケーブルの跡が見受けられました。

こちらも完全に錆の餌食です。

こいつがまた不気味なんだよね・・・。

足元にもケーブルがありました。

これは比較的新しそうですが、現役ではなさそうです。(繋がってないので)

まぁ後々それも納得の現状が現れますが・・・。

フラッシュ焚かないとやっぱり手振れがひどいな・・・。

分かりにくいですが、道内の大雨を写した写真です。

まぎれもない漏水です。


洞内はこの水音が響き渡っている状態です。

水音って不安感をあおりますよね。

そしてこれも崩落の原因として悪名高きものです。

そしてこの辺りには肋骨の残骸が・・・。

廃の雰囲気満載です。

そしてこの辺りから僕のテンションはじわじわ上がってきました。

オブローダーズハイ!

こうなりゃ恐いもん無しだ!!

抜け落ちてる・・・

ヘルメット買おう・・・。

ヘルメット買おう!!

備えあれば憂いなし・・・。

フラッシュオン!

大体洞内の暗さがわかってもらえたしもういいでしょ(汗)

ぶれた写真ばっかで嫌になってきたよ!

しかしこの隧道の岩盤は非常に安定している印象を受けました。

ここだけ見てれば現役と言われても納得できますね。

足元は舗装されてるので非常に歩きやすいです。

崩れてるとこ以外は。

とはいえ明治に起工された隧道。

そりゃ崩れますよ。

そういや場所によっては砂岩っぽい岩肌のところもありました。

砂岩は隧道には最も向きませんから。

上の写真の上部。

ゴッソリ逝ってるね。

どこが抜け落ちたかよくわかります・・・。

ここにも煉瓦巻きの中間部がありました。

ここでは割かしよくみられる手法のようですね。

さて、ここがほぼ中間部。

まだまだ闇は長いです。


以降、後編へ!

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