滋賀県道285号 七々頭・明神トンネル旧道 後編

この先に進みたければ俺を倒してから行くがいい!!

前編最後、現道との接続地点には緑の化け物「マント群落」が控えていました。

こいつは一筋縄ではいかないな。

まずはつけ入る隙を見つけなければ!!

つけ入る隙は・・・、

ここにあると見た!!

うおおおこえええええ!!!

このコンクリートの塀のようなものの太さは約20cm弱といったところ。

普通に考えればちょっと細めの平均台。


つうか足場が見えねえ!!

そして蔦が絡まってきて歩きづらい!!

塀の上に蔦が覆いかぶさり、左側に落ちれば高時川へ5mほど転がり落ちるという状態。

考え付いた時は楽勝と思ったけど、これは下手な崩落地突破より怖いぞ・・・。

越えた!!!

現道のガードレールにつかまって振り返って撮影。

とてもじゃないですが、渡っている最中に撮影する余裕はありませんでした。

冷や汗出たよ・・・。


現道は旧道より高い位置にあり、接続地点とは言っても互いに行き来できる状態にはありませんでした。

こんな無茶しなければ無理でしょう。

・・・ということは結局しゃりお君で来てもダメだったってことね(涙)

反対側には階段が・・・。

車両通行は見捨てたけど、徒歩通行はせめて・・・ということでしょうか。

その前に・・・、

そしてこの旧道に対応するトンネル。

七々頭トンネル(ななずトンネル)

近くにある七々頭ヶ岳に由来しているようですね。

七々頭ヶ岳は丹生富士(にゅうふじ)の別名を持つ郷土富士の一つです。

高時川の上流部、右岸にあるのがこれから向かう旧道。

前編の七々頭トンネル旧道区間をカットするため、現道では橋をもう一つ使っています。

明神橋(みょうじんばし)

こちらは打って変わってありがたい系のお名前ですね。

それとも字か何かでそういう地名があるのでしょうか・・・?

さて、そろそろ旧道探索に復帰しましょう!

なぜこちらの旧道にはアクセス路があって、向こうの旧道にはアクセス路が無いのか?

その理由は旧道を辿れば明らかになるのでしょうか?


向こうはガードレールで完全封鎖。

最後のラスボスはもしかしたら、廃道化処置の結果なのかもしれませんね。

詰めが甘いですが。

旧道らしい素晴らしい雰囲気。

なんとなく物悲しい夕暮れが似合います。

ヒグラシの声が何とも切ない・・・。

そしてなぜピントが合わない・・・(涙)

デジカメ変えてだいぶ改善したんだけど、まだあるなぁ。

道幅は意外なほど広いです。

旧道化されたのが意外なほどですが、やはりこのクネクネ道を改善しないければということなんでしょう。

開かずの県道がなぜこんなに改良されているのか、理由は後述します。

カーブのふくらみの内側には祠のようなものがありました。

もしかしたらこれが「明神」の名前の由来かも?

夕暮れで急いでいたので、登って確認はしませんでした。

めっちゃ急だし・・・。

一応こっちにもバリケードがあるんですね。

こっちはそれほど廃道って感じはしませんでしたが。

そういえばデジタルマップルではこの2つのトンネルの旧道は両方書かれていませんでした。

国道8号大谷隧道群のあの状態でも破線が書かれてるのに・・・。

旧国道と旧県道の格の違いか・・・?

現道に合流して終了!!

前半はいい廃道、後半はいい旧道を満喫できました。


この利用者のそれほど多くなさそうな区間が積極的に改良されているのには理由があります。

丹生ダム(にゅうダム)

このダムの建設資材運搬道路としてこの滋賀県道285号が整備されてきたのです。

険道レポ本編でも詳しく書いたこの丹生ダム計画ですが、2014年1月大きな動きがありました。

なんと建設中止の方針が決定されたのです。

500億以上をかけて道路、周辺を整備し、鷲見や尾羽梨といった集落を移転させ廃村にしてまで進められたこの丹生ダム計画。

余呉の住民の落胆ぶりは凄まじいものがあるでしょう。

なにせ堤体積日本一のロックフィルダムが地元にできるはずだったのです。

観光資源としてもこれ以上ないものとなったでしょう。


この判断が妥当かどうか、僕には判断できません。

しかし廃村にさせられた鷲見をはじめとする7つの廃村の村人たちはどう思うのでしょうか?

国政、県政に振り回され続けた滋賀最北の住人達。

胸が痛みます。

ダム建設に振り回されて完成したトンネル。

明神トンネル(みょうじんトンネル)

その真新しい姿の先にダムができる可能性は限りなく薄くなりました。

全国に時折ある、「なんでこんな山奥にこんな立派なトンネル??」というパターン。

ここもそんな一つになりそうです。

切ないなぁ・・・。


滋賀県道285号七々頭・明神トンネル旧道編

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