旧北陸本線 刀根隧道 前編

小刀根隧道

当ブログでも何度も紹介している敦賀が誇る廃隧道。

明治14年竣工、昭和32年まで北陸本線、昭和39年の廃線までは柳ヶ瀬線の隧道として活躍してきました。

この隧道は実は廃隧道というと少し語弊があり、隧道奥の畑の利用者と観光隧道として現在でも現役とも言えます。

この小刀根隧道は近代土木遺産Aランクを誇る、日本鉄道黎明期を今に伝える貴重な存在です。


しかし実はこの小刀根隧道には兄弟がいたのです。

それも三つ子。

弟としては明治16年に竣工された道の先にある県境の柳ヶ瀬隧道がいますが、ほぼ同時期に竣工された三つ子の隧道だったという話は意外と知らない人も多い。


同じ明治14年に竣工された兄弟たちをご紹介しましょう。

曽々木隧道
刀根隧道(とねずいどう)
小刀根隧道


この中で曽々木隧道は開削され、刀根隧道は全面改修、拡幅され、その姿を見ることはできません。

しかし、その一部が今も現存しているという情報を仕入れ、僕は現地に急行しました。

小刀根隧道といえば、敦賀のオブローダー(めっちゃ少ない)の中では聖地とも呼べる場所。

その兄弟が隠れていたとなれば行かずにはいられない!!

レポスタート!!

刀根隧道

今回の主役は小さくない方の刀根隧道です。

味もそっけもない姿になっちゃって・・・。

両側に見えるトンネルは北陸自動車道の刀根トンネルです。

振り返った刀根隧道。

これで分かるのは敦賀側はおそらく延伸されているであろうということ。

これは隧道どうこうではなく、両側の北陸自動車道のットンネルによるものではないでしょうか?

本来は小刀根隧道の倍、100m程度だったと思われます。

刀根隧道とは直線状の位置関係にある小刀根隧道。

しかし今日の主役は君ではない。

ちょっと寂しそう・・・?

そういえば道の紹介がまだでしたね。

福井県道・滋賀県道140号敦賀柳ヶ瀬線

(つるがやながせせん)

ここはほぼ全線が旧北陸本線(柳ヶ瀬線)を踏襲した県道として知られています。

しかしその先入観は後々裏切られることとなりますが・・・。

そしてここは当ブログで取り上げた唯一の市道との接続地点でもあります。

意外と熱いぜ、敦賀市南東部。

池河内もまた行かなきゃなぁ・・・。

気比神社(けひじんじゃ)

この赤鳥居が目印になります。

この神社ですが、実は北陸道総鎮守の気比神宮の本宮とも伝えられる由緒正しき神社です。

伝えられる通りなら1800年以上の歴史を持つ古社ということになりますね。

ただ残念ながら詳しくは伝わっていないようですが・・・。

そしてここを右を向くと・・・、

刀根集落への道。

この先に僕が今回、目的とするものがあるのです。

ここはもともと旧線を利用した道ではありません。

そのため小刻みにカーブしたり、狭くなったりを繰り返す典型的な集落道路となっています。

明治天皇が巡行された際、ここで休憩されたとの日が残っていました。

そういえば杉津の車窓で「当代一の車窓風景」と評されたという話も残っていましたね。

現在では杉津パーキングとなっています。

現在も恋人の聖地に認定される素晴らしい風景です。

振り返ればお地蔵様。

古い集落であることがよくわかります。

石室ってのは意外とないんですよ。

そしてこのお地蔵様をはさんで反対側にそれはありました。

要石!!!

参考:第一観音寺隧道

要石とは隧道のアーチの頂点にある、構造上最も重要な石材です。

古い隧道ではここに竣工年が書かれたり、四字熟語が刻まれたりするわけですが、刀根隧道もご多分に漏れていません。

刀根洞道(とねどうどう)

隧道ではなく洞道。

まぁ洞道とは人が立ち入れる地下通路を指す言葉なので、隧道とそれ程大差はありません。

こっちが正式名称なのかな?

普段は絶対に見ることができない要石の反対側。

しかしデカいね。

こんな近くで見る機会はあんまりないですから。

多分15分以上この石の周りをぐるぐる回ってましたよ。

ちなみに要石は刀根区公会堂の敷地内にあります。

向かって右側の道沿いです。

身に行かれる方は見落とし注意!


さぁて、見るもの見たし帰ろうかな。

帰路に着いたその時。

僕は見てしまいました。

ん?

あの橋、プレートガーダーか・・・。

どっかで見たことがあるような・・・。

小刀根隧道周辺の橋のあのガーダーと・・・、

完全に一致!!!

ということは・・・、

旧線あとはここだったか!!!

僕はてっきり旧線は北陸道に取り込まれちゃったもんだと思っていましたが、どうやらギリギリ残っている様子。

こんなの見つけちゃったらもう・・・。

行かないわけにはいかない!!

この道往けば act2

福井県を中心とした。酷道、廃道、旧道、峠、隧道の探索ブログ

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