富山遠征第2弾 楢尾隧道

さて山の神峠から突入した利賀村(とがむら)は大きく2つの村域に分けることができます。
利賀川(とががわ)流域を中心とする西部地域と百瀬川(ももせがわ)流域を中心とする東部地域がそれですが、非常に近いところを流れているにもかかわらず、この2つの河川は水系が違うのです。
利賀川は庄川水系、百瀬川は神通川水系にそれぞれ属していて、合流することはありません。
このような場合考えられることはただ一つ。

両河川の間に壁のような山塊がある

しかし大概こういう場合、川と川の間の稜線が市町村境となるのですが、ここの場合は両側共に利賀村。

つまり利賀村は西と東を自然の高い壁に隔てられているのです。


そこに交通不便が無いわけはありません。

そこに穴を掘りたい。

それは自然な考えでしょう。
それじゃ見に行きますか。
レポスタート!
ここは富山・岐阜県道34号利賀河合線(とがかわいせん・レポ未)の起点、国道471号との交差点です。
ここからはこの国道が旅のお供になります。
この国道471号は全国区で有名な楢峠(ならとうげ・レポ未)を擁するので、他に目は行きにくいですが、なかなかいろいろ隠されてます。

個人的には利賀村のわんぱくなルーティングにももっとスポット当ててほしい。
バウンドしてますからね。
利賀村内でバウンドする国道471号の丁度衝突地点に位置するのが今回目標とする隧道。
明らかに新旧2つの隧道が並んで描かれています。
位置的には村内の中央部ですが、中央感は全くゼロ。
こんな中央も珍しい。
県道34号を右折し旧利賀村役場前を通過します。
ここには道の資料館なるものがあり(この日は休館日・・・)、村の歴史を道中心に大いに学べます。
利賀村にとって道というものがいかに重要だったかがよくわかります。

しかし町役場前の道とは思えない勾配です。

いかに狭いところに街を作ったかがわかる光景。

自転車移動は大変だろうなぁ。

本当にすごいわ、スタッドレスじゃないと絶対無理な勾配ですよ。

役所前の道としてはトップ5に入る勾配じゃないかと。

そんなランキング無いか・・・。
一つ上の写真のカーブの最中に逆方向へはじき出されるような道があり、それが旧道。
ややわかりにくいですがここしか分岐が無いので、あまり迷う心配はありません。
写真の看板もいい目印です。
いかにも旧国道という道が山肌を登っていきます。
しかも予想外なことに除雪までされている!
これはありがたい。
何せ革靴での探索の僕は雪が積もっていたらその時点でアウト。
この後打ち合わせあるんだよ!

学校!!

なるほど、これが除雪の理由ですか。
そりゃ雪どけせなあきませんわな。

利賀小中学校

非常に素敵な立地です。
窓の外からこの雄大な景色を眺めながら勉強できるなんて・・・。
いや僕的には気が散るかもしれませんが・・・。
学校を過ぎてもありがたいことに除雪は続いていました。
いや、雪国の人間は知っている。
こういう場合、隧道前に雪が集められている可能性がある。
楽観視はできない!!

開拓記念碑

これが示すものは一つしかありません。
そう、僕は辿り着きました。

楢尾隧道(ならおずいどう)

事前情報では車両での通行も可能だったはずなんだけど・・・。
いつの間に封鎖されたんだろう・・・。

竣工、昭和45年。延長818m。

隧道内に線が入ったように見えるのはスカイフィッシュではなく猛烈な勢いで漏水しているから。
え、洞内に入らないのかって?
分かってるでしょ??

この僅かな泥まみれの雪が越えられない!!

この後の打ち合わせを考えるとこんなところで無茶はできない!!
オブローダーとしての矜持か、社会人としての常識か・・・。
何気に僕はここで10分以上逡巡しました。
しかし結論は結局、社会人の常識。
許してくれ・・・。
いずれ必ずまた来るから・・・!!
ちなみに楢尾隧道と呼んでいますが、扁額には「楢尾トンネル」と書かれています。
ここはあえて隧道と呼びたいですが・・・。

実はこの隧道にはいろんな裏事情が隠されているのですが・・・。
それは実際に通り抜けたときにご紹介しましょう・・・。
後ろ髪引かれながらも、踵を返します。
しかしまだ終わったわけじゃない。

百瀬川側が残っている!

昭和63年竣工、新楢尾トンネル

ということは楢尾隧道は18年間しか現役じゃなかったのか・・・。
まぁその由来を考えれば致し方ない気も・・・。

何はともあれ、今はありがたくこの国道の威光をフルに使ったトンネルを利用させていただきましょう。
ワーーーーープ!!
青看板に従って国道471号をトレースし左折します。
拝み勾配になっている新トンネルとは違い、楢尾隧道は片勾配なので、百瀬川側の坑口は新旧並ぶように存在しています。
左折して・・・
すぐ・・・そ・・・こ・・・

こりゃ無理だ。

雪上を歩く愚はよく知っています。
かんじきやスノーシューでもない限り、ズボッといったらおしまいです。
特に溶けかけてるこれくらいの雪は一番危険なのです。
これは春待ちだな・・・。
ポータルは見えてるんだけどね・・・。
ここも再びの春待ち物件。
いい下見ができました。
次回は潜るぞ!!

以上、楢尾隧道編

この道往けば act2

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