水坂峠
個人的に道というのは「旧道」として存続するのが一番良いと思っています。
便利なバイパスや路肩の落ちた廃道なんかも大好きですが、やはり旧道の雰囲気は格別。
特にこの旧道は良い残り方をしています。
放置もされず、祭り上げられもせず、ただ静かに「道」として残っている。
そんな残り方が哀愁を感じます。
もちろん旧道なので、現道ほどの整備は望めません。
ここは路肩が落ちかけた個所。
旧道でのスピードは控えめに・・・。
路肩を見ればそこには朽ちかけた石垣が。
これこそが道の歴史を物語る代物。
谷積みで積まれた石垣の隙間から顔を出す植物たち。
自然と人工の調和が堪りません。
水坂峠、着。
新道トンネルによって旧道化した峠ですので、旧道自体は大した距離はありません。
しかし峠の景色としては素晴らしい。
静謐な雰囲気があたりを支配しています。
峠には峠名の白看板がありました。
町名のものはよく見ますが、峠名のものはここの他見たことがありません。
こういう所って他にもありますか?
知ってる方ご一報を!
峠から少し下るとこんな変わったものが。
石垣の上にコンクリートの擁壁が設置されています。
これ、石垣が残ってるっていう意味ではいいんだけど、強度的には大丈夫なのかなぁ。
石垣によけいな負荷掛けてる気もするんだけど・・・。
そしてここには僕の好物が!
賤ヶ嶽隧道編でも書いた通り、
僕はこの「トンネルを上から見下ろす旧道からの眺め」が大好きなのです!
これだけで僕はこの峠に星3つ差し上げちゃいます。
マニアックすぎますか、そうですか・・・。
トンネル見下ろしポイントからはカーブしてすぐ現道と合流し、旧道は終わりを迎えます。
この水坂峠ですが、一説には「水分かつ坂」で水坂峠となったとの説があります。(諸説あり)
まさに中央分水嶺に相応しい峠です!
ちなみにこの峠、「九里半峠」(くりはんとうげ)の別名があるのですが、
どう考えても九里半(38km!)はないでしょう!
七里半越もビックリですよ。
恐らく周辺の檜峠から福井県境までの坂道全てを含めての呼称と思われます。
ここはもう福井県境まであとわすか。
熊川宿を目指す旅人が最後に越えた峠だったことでしょう。
そんな歴史の息吹きを僅かでも感じられた気がしました。
以上、水坂峠編
0コメント