福井県道247号南条停車場線 後編

南条駅よりさらに北上を開始します。
ここはもう県道には指定されていませんが、国道365号の旧道に他なりません。
ひいてはかつての北国街道と言い換えることもできます。
県道だった区間よりも街道らしい北部旧道。
素晴らしい雰囲気です。
国道365号迷走区間を思い出す狭さ。
と思ってからしばらく経って気づきました。

あ、ここも国道365号だったのか。


日本海側と太平洋側で道の同一性を確認するとは思いませんでした。
なんか似てるよね。
日野川(ひのがわ)から集落内へ流れこむ用水が旧道に寄り添いだしました。
こういうのも古い街道ではよく見られる光景です。
橋の作りも古そうです。
沿線にはお寺や神社が立ち並びます。
ピンボケで申し訳ありません。
水平取れてないな・・・。

秀香寺(しゅうこうじ)

かなり格式高そうなお寺もありました。
明治22年建立の日蓮宗のお寺だそうです。
その頃にはここがメインストリートだったということですね。
明治天皇のご休憩されたんだからそりゃご立派なお寺ですよ!
いやぁ道に歴史あり、こんなところにこんな立派なお寺があったとは・・・。
ここより西の山中は春日野隧道や菅谷峠(すげんたんとうげ・レポ未)といった歴史ある街道が入り乱れる南条山地(なんじょうさんち)。
その山麓には数多くの神社が存在します。
その姿は延暦寺を思い出す景色。
朝方や夕暮れの灯りは特にそんな光景が浮かびます。
現道とつかず離れず並走している旧道。
グネグネしている以外は至ってまともな道だということがわかります。
線路の向こうにはもう1本道があるんですが、そこには明らかな旧線の遺構がありました。
山中信号場待避線跡でも同じような構造物がありましたし、遺構の一連性を感じますね。
あそこもまた今度行くしましょう。

現道に吸収されそうで吸収されない微妙な距離感を保ったまま、道は越前市へ突入しました。
現道では案内が出ていますが、旧道には一切その気遣いはありません。
鯖武平野(さばたけへいや)がいよいよその広がりを見せてきました。
越前市の合併前の地名、「武生市(たけふし)」とお隣「鯖江市(さばえし)」に跨るこの平野。
広義には福井県の総面積の1/4を占める福井平野の南部「武生盆地」とも呼ばれます。
盆地らしくこの辺けっこう霧が凄いんだよなぁ・・・。

塩谷川(しおたにがわ)を越える橋に到達!

今宿橋(いまやどはし)

ちなみに現道には新今宿橋という橋が同じ塩谷川に架かっています。
新旧道の関係がわかる数少ないポイントです。
西に海があるはずなのに東に流れている塩谷川。
まぁここから日野川に合流してJの字に西に折り返します。
よくある光景ですが、なんか違和感ありますよね。
しかしこの道が重要路線である(であった)証拠は写真中央を見ればよくわかります。
それは北陸や東北の道には必要不可欠なもの。

融雪装置

おおよそ昭和に指定された道にはこいつがついています。
パッと見で県道かどうかの判断にも役立ちます。
そしてここで初の県道と交差します。

福井県道136号帆山王子保停車場線

(ほやまおうしおていしゃじょうせん・レポ未)

こっちはちゃんと国道365号現道にもつながっている生きた停車場線です。
やっぱ国道と並走する停車場線なんておかしいんだって。
奥の青看は国道365号に向けたもの。
いよいよゴールが近づいてきたのを感じます。
県道との交差点を過ぎれば、残りは消化試合。
緩い右カーブを描いて現道へすり寄っていきます。
いかにも旧道という斜めの角度から現道に寄り添っていく旧道。
トラックの路駐がその雰囲気に拍車をかけています。
なんか旧道ってこういう光景多いよね。
そして現道合流。
ここから少し北上すると国道8号福井バイパスのランプにぶつかりますが、そこから先はここまで走ってきた旧道と同じレベルまで狭まります。
さらに南向き一方通行区間まで存在する軒先クネクネ区間も存在し、「この旧道の先はああなっている」という納得に繋がります。
これが国道365号旧道も含めた全図です。
青線部分が福井県道247号、赤線が旧線のみの区間となっています。

後編はある意味蛇足なので、大分駆け足で紹介しています。
もし気になる方は簡単に行ける旧道ですので、自らの足でどうぞ!
基本、南越前町側の方がいろいろあって面白いかも。

以上、福井県道247号南条停車場線編

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