新道野越

国道8号

言わずと知れた北陸の大動脈。

新潟県新潟市から京都府京都市に至る、全長561km(全国3位)の超大路線です。

これだけ長ければさぞかし難所も多かろうと思いきや、実は難所と呼べるものはそれほど多くないところもこの道が幹線たる所以。


新潟の「親知らず子知らず」、福井の「越前海岸」、そして今回紹介する福井、滋賀県境の全線中最高標高地点、

新道野越(しんどうのごえ)


標高260mの峠で、別名として「新深坂峠」(しんふかさかとうげ)とも呼ばれる峠です。

この前後には旧道をはじめ様々な道路遺構が眠っているのです。

それではレポスタート!

スタート地点はやっぱりここ、「岡山交差点」。

国道27号側からの写真です。

奥に「福井県道210号編」で紹介した「その他危険」標識が見えますね。

そしてここが福井県道210号が国道8号から離れる交差点。

曲がる人は少ない・・・。

そして国道8号敦賀バイパスに合流してすぐに、左手に怪しい道が。

これが本線一発目の旧道です。

当然曲がってみました。

旧道は比較的短く、いわゆる「串刺し型」の旧道です。

写真は現道との合流地点。

ここからいよいよ遺構が現れ出します。

「七里半越編」でも紹介した、疋田交差点。

国道8号は湖東を経由するルートなので、ここを左折します。

しかし、ここに旧道探索の落とし穴があるのです。


旧道をトレースするならここは

そこにあるのはこの「新道野越」区間において最大の遺構が存在します。

それがこれ!

旧疋田橋(ひきたばし)

何の変哲もないガーダー橋ですが、現道に寄り添っているのが良い!

いったいいつごろ廃止されたかはわかりませんでしたが、それほど古くない印象を受けます。

とはいっても、当然風化作用は万物に平等に押し寄せます。

外からの力が加わったような破壊ですので、恐らく犯人は雪でしょう。

現道からの落下物と言う可能性も否定できませんが・・・。

国道8号(現道)側から見るとこのような位置関係にあります。

当然、しっかりガードレールが設置されていますが、徒歩なら余裕で入れます。

しかし現道の真横にあって、撤去されていない廃橋は珍しい。

詳細は旧道レポに譲るとしましょう

そんなことを思いながら旧橋を歩いていると・・・

こ れ は

橋脚跡!!

つまり疋田橋には旧橋の他に旧旧橋があったということか!?

これは実際は別の可能性が正解だったわけですが。

なんにせよ、ということは岸にはあれがあるはず・・・、

ありました。

橋 台

旧橋は橋脚と橋台が1セットのパターンが多く(どちらかが欠損パターンも多いが)、これによってだいたい在りし日の橋の姿を想像することが出来ます。


しかしこの橋台はマント群落によって見事に隠されています。

時期が時期だったら見落としてたな。

やっぱ旧道めぐりは春か秋に限ります。


この橋の正体につきましてはこちらが詳しいです。

気になる方はご一読を!

さて疋田橋を離れるとすぐにまた旧道が現れます。

串刺し型はこの辺りでも顕著で、いくつもの旧道を見ることが出来ました。

3つ目の旧道です。

2つ目の(上の写真)旧道は大規模崩落工事の為、一切通行できませんが、ここは通行可。

まぁ車で走ると一瞬ですが。

そしてこの付近にあるのがここ。

こここそが「旧北陸本線隧道群 訂正&考察編」で指摘した地点。

つまり曽々木隧道跡地の疑定地です。


実は今まで走ってきた区間は、旧北陸本線(柳ヶ瀬線)の跡地を車道化したものなのです。

曽々木隧道は明治12年生まれの鉄道隧道でしたが、

国道8号の拡幅工事に伴い開削され、その生涯を終えた隧道。

現存すれば小刀根隧道と並んで、日本最古参の隧道となれる逸材でした。

開削は昭和39年とのこと。

惜しいものです・・・。

福井・滋賀県道140号敦賀柳ヶ瀬線と別れると、このブログではいよいよ未知の区間に突入です。

国道8号は登坂車線を完備!

いよいよ新道野越が荒々しさを増してきます。

登坂車線を越えてすぐ現れた4本目の旧道。

こちらも通行可で、集落道路になっています。


歴史のある道ならではの光景ですね。

ちなみにこの集落の名は「新道」。

この集落から峠の名は取られたようです。

そして新道野越、着。

国道8号の最高標高地点。

福井県、滋賀県の県境。

さらに中央分水嶺でもあります。

峠にはこんな立派なお蕎麦屋さんがありました。

ここのご主人はかつてここで関所をしていた役人さんの末裔だそうです。

しかし立派な茅葺、歴史を感じます。

峠を下ってすぐにある小道。

この先は「深坂古道」と呼ばれる北国街道の古道です。

つまり北国街道を踏襲する国道8号にとっては旧道ともいうべき存在。

この先には深坂越と呼ばれる峠があります。

しばらく走っていくと右側に怪しい擁壁がみえてきました。

う~ん、最初はただの法面かと思ったんですけどねぇ。

上に平場見えるなぁ。


ということはこれも・・・、

旧道ですか。


ここはいっぺんここだけでレポしたいな。

というか他もまとめてやるにはちょっと時間(と気合い)が足りない。

ここは少しずつレポしていきます!

滋賀県側では初の交差点。

滋賀県道286号大浦沓掛線(おおうらくつかけせん)

この道は至って普通の県道ですので、計算に入れてドライブできますよ。

まぁこのブログを見てるような方は逆に好まない道かもしれませんが(笑。

そして沓掛集落に入る直前に現れるのがこの平場。

集落に続く道が意味深に途切れてたから気になったけど、

これも旧道だろうなぁ・・・。


これでトータル6本の旧道を確認しました。

見逃しはなかったと思うのですが、

もし「ここは?」って疑定地がありましたら、教えてください。

可能な限り、徒歩での踏破、検証を行います!

深坂トンネルを越えてきた北陸本線に再会です。

こうなるとあとはもう目的地を目指すのみ。

今回の目的地は・・・。

近 江 塩 津 駅

ここは鉄道における湖西、湖東の分岐点。

つまり今回は車道における分岐点と鉄道における分岐点の間を走ってきたというわけです。

まぁだからなんだと言われれば、ただの自己満足なんですが(笑い。


しかし今回のレポは今後の旧道踏破の下準備にもなるレポでした。

あのやばそうな区間ももちろん攻めます!

こうご期待! 


以上、新道野越編

この道往けば act2

福井県を中心とした。酷道、廃道、旧道、峠、隧道の探索ブログ

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